7つの習慣レビュー|人格主義の回復

ビジネス書
7つの習慣レビュー|人格主義の回復

人は、悩みや不安があるときほど、「考えても変えられないこと」に心を持っていかれてしまうことがあります。

私自身も以前から『7つの習慣』は大切な本だと思っていましたが、最近、結婚したばかりの後輩から相談を受けたことで、この本の価値をあらためて強く感じました。

後輩はライフステージが変わったことで、仕事やお金、これからの生活にいろいろな悩みや不安を抱えていました。話を聞いていくと、その多くは自分一人では直接変えられないことに意識が向きすぎているように感じました。

そこで今回、以前にコンサル×育児両立に役立ったビジネス書3選のうちの1冊として簡単に触れた『7つの習慣』を、特に「主体的である」と「影響の輪・関心の輪」の考え方を中心に、あらためてしっかり紹介したいと思います。

『7つの習慣 人格主義の回復』の基本情報

まずは書籍の基本情報を整理します。

項目内容
書名完訳 7つの習慣 人格主義の回復
著者スティーブン・R・コヴィー
訳者フランクリン・コヴィー・ジャパン
出版社FCE(キングベアー出版)
読了時期2020年ごろ
発行年月日2013年8月
定価2,420円(税込)
主な位置づけ人生の原則を学ぶための定番書
主なテーマ主体性、目的、優先順位、人間関係、相互理解、成長

出版社公式では、この本は全世界4,000万部超、国内250万部超読まれてきた定番書の翻訳を刷新したもので、『7つの習慣』が本来持つ「人格主義」に基づいて原書に忠実に訳し直した“21世紀訳版”として紹介されています。

また、単なるテクニック本ではなく、スキルやノウハウの前に、どんな人格・原則の上に人生を築くかを重視している点が、この本の大きな特徴です。出版社公式でも、「個性主義」ではなく「人格主義」のパラダイムこそが重要だと説明されています。

この本を読んだきっかけ

最初にこの本を読んだきっかけは、日頃から読書する習慣がある中で、話題になっていた本を手に取った流れだったと思います。

かなり前のことなので詳細な経緯は少し曖昧ですが、少なくとも「なんとなく自己啓発書を読んだ」というよりは、長く読み継がれている本として気になって読んだ記憶があります。

そして今回あらためて記事にしようと思ったのは、別の会社で働いている後輩から相談を受けたことがきっかけでした。結婚したばかりで、生活や将来への不安が増え、仕事に集中しづらい日があることや、休日も以前ほど心から楽しめないことがあると話してくれました。

詳しく聞いてみると、悩みの多くは「自分では直接変えられないこと」に意識が向いているケースが多かったんです。だからこそ、この本の第一の習慣『主体的である』、特に影響の輪と関心の輪の考え方が役立つと思い、あらためておすすめしたくなりました。

『7つの習慣』は何を教えてくれる本か

前回の関連記事でも書いた通り、私は『7つの習慣』を単なる自己啓発書ではなく、人生の原則を教えてくれる名著だと捉えています。

本書で示される7つの習慣は、次の通りです。

  1. 主体的である
  2. 終わりを思い描くことから始める
  3. 最優先事項を優先する
  4. Win-Winを考える
  5. まず理解に徹し、そして理解される
  6. シナジーを創り出す
  7. 刃を研ぐ

この7つは、仕事のテクニックを小手先で並べたものではありません。
「どうすれば短期的にうまく見せられるか」ではなく、長期的に信頼され、ぶれずに生きるにはどう考え、どう行動するかを扱っているのが本書の本質です。

前回の記事では、『エッセンシャル思考』が戦術なら『7つの習慣』は戦略、といった位置づけで紹介しました。今回もその考えは変わっていません。日々のタスク整理に効く本というより、人生や働き方の土台そのものを整える本だと思っています。

特に伝えたいのは「主体的である」という考え方

今回いちばん書きたいのは、やはり第一の習慣です。

人にはさまざまな関心事がある一方で、その中には自分が直接的・間接的に影響を及ぼせるものと、関心はあっても自分では影響を及ぼせないものがあるとしています。そして、この違いをコヴィー博士は「影響の輪」と「関心の輪」という概念で示しています。

たとえば、景気、物価高、増税、上司の機嫌、社会全体の空気などは、多くの人にとって関心事ではあります。ですが、個人がそれ自体を直接動かせるわけではありません。一方で、自分の支出を見直す、収入を上げるために動く、仕事の進め方を改善する、家族との会話を増やす、といったことは、自分の影響の輪の内側にあります。

この本を読んで以降、私自身も影響の輪の外にある関心の輪の出来事について、深く悩み続けないことをかなり意識するようになりました。

もちろん、不安の原因そのものが関心の輪にあることはあります。たとえば、お金の不安の背景には物価高や増税があるかもしれません。でも、そこで「世の中が悪い」「政治が悪い」と考え続けても、自分の不安はあまり減りません。
それよりも、収入を上げる、支出を減らす、備えを作るといった、影響の輪の中にある行動へ視点を戻した方が、現実は少しずつ改善していきます。

この感覚は、悩みをゼロにする魔法ではありません。ですが、悩みを“行動できる形”に変えるうえで非常に強力です。後輩の相談に対しても、だからこそこの本を薦めたいと思いました。

「影響の輪」に意識を向けると、気持ちが整いやすくなる

『7つの習慣』の良さは、単に前向きになろうと励ます本ではないところです。

不安になったときに「気にしないようにしよう」と言われても、正直それでは解決しないことが多いと思います。けれど、本書はそうした感情に対して、どこに意識を置けば、自分の人生を前に進めやすくなるかという整理の仕方を与えてくれます。

たとえば、

  • 会社の制度が変わるかもしれない
  • 将来の景気が不透明
  • 住宅価格や教育費が上がるかもしれない
  • 他人がどう評価してくるか不安

こうしたものは気になりますし、無関心でいる必要もありません。
ただ、それらをずっと考え続けるより、今の自分にできる打ち手に目を向けた方が、結果的に気持ちも行動も整いやすいです。

私はこの考え方を、家計管理でも働き方でもかなり使っています。外部環境を完全にコントロールすることはできなくても、家計を見直す、学ぶ、転職市場を知る、資産形成を続ける、家族と話す、といったことは自分で動かせます。
この「変えられないものを見続ける」のではなく、「変えられるものに集中する」という姿勢が、まさに主体性の核だと思っています。

前回記事とのつながりで見ると、第二領域の考え方もやはり重要

前回の記事では、『7つの習慣』の中でも第II領域の考え方が、育児中の親に特に大切だと書きました。そこも、今回の記事と矛盾なく大事なポイントです。

第II領域とは、緊急ではないが重要なことです。
たとえば、家計の見直し、健康管理、夫婦の対話、学び直し、将来の備え、子どもとの関わりなどは、今すぐ火がついている問題ではなくても、長期的には人生に大きな差を生みます。

そして、この第II領域に時間を使うためにも、第一の習慣である「主体性」が必要です。
関心の輪の外側に意識を奪われ続けると、本来やるべき第II領域に時間も気力も使えなくなります。逆に、影響の輪に集中できるようになると、自分の人生を良くするための行動に時間を振り向けやすくなります。

つまり私の中では、

  • 第一の習慣:どこに意識を向けるかを整える
  • 第三の習慣:何を優先するかを整える

という形でつながっています。だから『7つの習慣』は、一つひとつの章がバラバラではなく、人生全体のOSのように機能する本だと感じています。

読んで感じた良かったところ

1. 不安を「行動可能な問い」に変えやすい

この本を読むと、漠然とした不安に飲まれにくくなります。

「どうしよう」と考え続ける代わりに、
「これは自分の影響の輪の中にあるか?」
「今の自分にできることは何か?」
と問い直せるようになるからです。

2. 仕事だけでなく家庭や人生全体に効く

『7つの習慣』はビジネス書として有名ですが、実際には仕事だけの本ではありません。

結婚、育児、家計、夫婦関係、将来設計など、ライフステージが変わるほど効いてくる本だと思います。今回後輩へのおすすめ本としてあらためて思い出したのも、その守備範囲の広さがあるからでした。

3. 小手先ではなく、長く使える考え方が身につく

この本の魅力は、読んだ直後のテンションだけで終わらないことです。

一時的なモチベーションアップではなく、困ったときに戻ってこられる判断基準として残ります。前回の記事でも“戦略”の本と書きましたが、その印象は今も変わりません。

気になったところ

1. 文量は軽くない

名著である一方、読みやすい薄い本ではありません。

じっくり読み進める必要がありますし、すぐに読み切れるタイプではないです。気軽なハウツー本を期待すると、最初は重く感じるかもしれません。

2. すぐに実践しないと「いい話」で終わりやすい

内容が本質的だからこそ、読んだだけで満足しやすい面もあります。

特に「主体的である」「終わりを思い描く」「最優先事項を優先する」といったテーマは、納得しやすい分だけ、実生活に落とし込まないと変化につながりにくいです。
だからこそ私は、「悩みが出たときに影響の輪を意識する」といった具体的な使い方をおすすめしたいです。

こんな人におすすめです

この本は、次のような人に特に合うと思います。

  • 将来への不安が増えてきた人
  • 結婚や育児など、ライフステージの変化で悩みが増えた人
  • 仕事だけでなく人生全体の軸を整えたい人
  • 目先のテクニックではなく、長く使える原則を学びたい人
  • 考えすぎて動けなくなることがある人

逆に、今すぐ使える時短テクニックだけを求めている人には、少し重たく感じるかもしれません。そういう意味でも、この本は“効率化本”というより“土台を整える本”だと思います。

総合評価

項目評価コメント
本質性★★★★★テクニックではなく人生の原則を扱っている
実生活への応用度★★★★★仕事・家庭・家計・人間関係まで広く使える
再読価値★★★★★ライフステージが変わるたびに刺さるポイントが変わる
わかりやすさ★★★★☆内容は整理されているが、分量は軽くない
即効性★★★★☆すぐ使える視点は多いが、真価は継続実践で出る
おすすめしやすさ★★★★★不安が多い人、軸を整えたい人に強くすすめやすい

総合評価:★★★★☆ (4.7/5.0)

まとめ

『7つの習慣 人格主義の回復』の最大の価値は、変えられないことに振り回されるのではなく、変えられることに力を使う生き方を教えてくれることだと思っています。

私自身、この本を読んでからは、影響の輪の外にあることに深く悩み続けないようかなり意識するようになりました。もちろん、不安の原因そのものは自分の外側にあることもあります。それでも、不安を減らす方法や問題を解く行動は、自分の影響の輪の中にもある。そう考えられるようになったのは、この本から受けた大きな影響です。

以前の育児と仕事の両立に役立ったビジネス書3選の記事で『7つの習慣』を簡単に紹介しましたが、もしそこで気になっていた方や、今まさに悩みや不安で気持ちが散りやすい方には、今回はぜひ一冊まるごと向き合ってみてほしい本です。

一緒に、変えられることに集中する習慣を育てていきましょう!


カイゼンパパのプロフィール

コメント

タイトルとURLをコピーしました