FIREを目指すべきか|我が家の結論

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FIREを目指すべきか|我が家の結論

流行っているからといって、我が家はFIREを最優先の目標にはしませんでした。

私は何年も前から投資をしていますが、昔から「早く仕事を辞めたい」と思っていたわけではありません。20代の頃は、月曜から日曜まで昼夜問わず仕事や仕事関連の勉強をしていて、今振り返るとワーカーホリックと言われても仕方ない状態でした。今は当時ほどではないものの、今でも仕事はかなり好きです。だからこそ、投資の目的は「早く逃げること」ではなく、「今も楽しみながら、将来のお金の不安を減らすこと」や「資産運用を活用して生涯で使えるお金を増やすこと」でした。

そんな自分の考えを前提に、3〜4年前に妻とあらためて「我が家はFIREを目指すのか」を話しました。結論から言うと、我が家の答えは「FIREを目的にはしない。ただし、50代で辞めようと思えば辞められる状態は目指す」です。

この記事では、流行りのFIREを我が家がどう考えたのか、その結論だけでなく、夫婦で何を順番に整理したのかを書きます。以前書いた 今と未来のバランスで後悔しない人生設計術目的・手段・前提を分けて考える話 ともつながる内容です。

FIRE を目指す前に整理したい前提

FIREは「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的自立を達成し、早期退職を目指す考え方です。自由な時間が増える、住む場所を選びやすい、経済的不安を減らしやすいといった魅力がある一方で、高い貯蓄率が必要になりやすいので、我慢を強いられることや、想定外の支出や年金額の減少によるFIREの破綻、キャリア中断による何かあった際の再就職が難しくなるといったリスクもあります。

一方で、資産形成の基本としては、まず家計管理とライフプランニングがあり、そのうえで長期・積立・分散投資を考える、という順番が金融庁でも示されています。つまり、本来は「どの商品で増やすか」より前に、「どんな人生を送りたいか」「いつ、どんなお金が必要か」を整理するほうが先です。

資産形成は「自分の夢や好きなこと、思い描く家族像」をもとにライフプランを考え、長期的・計画的な資金管理をしていくものだと私は考えています。これは、FIREを目指すかどうか以前に、「自分たちは何のためにお金を貯めるのか」を言語化したほうが良い、という今回の記事のテーマです。

我が家が最初に決めたこと

我が家で最初に決めたのは、「FIREをしたいか」そのものではありませんでした。最初に整理したのは、「将来的にどういう状態を目指したいのか」です。

妻も、いわゆる早期FIREそのものに強い憧れがあるわけではありませんでした。一方で、「一生働き続けないと生活できない状態」は避けたいという思いはありました。年を取って体が動かなくなってきたときに、老後をお金に不自由なく、悠々自適に過ごせる状態は最低限ほしい。さらに、できれば50〜60歳の間に、最悪仕事を辞めても大丈夫という選択肢が持てたら理想だよね、という話になりました。

ここは私も同じ考えでした。私自身は仕事が好きなので、早く辞めたいわけではありません。ただ、「辞めたいわけではない」と「辞められない」は全く違います。だから我が家では、「50代でリタイアしようと思えば、リタイアできる状態」を目指す、という整理になりました。

我が家で決めた優先順位

夫婦で話した結果、我が家では資産形成の優先順位を次の3つに整理しました。

1. 60歳か65歳までに、老後をお金に不自由なく過ごせるだけのお金を用意する

これは最低限のラインです。一般的な定年や再雇用終了の年齢までには、悠々自適な老後生活に必要なお金を用意しておきたい、という考え方です。

2. 1を満たしているなら、将来のために無理をしすぎず今も楽しむ

ここが我が家ではかなり大事でした。将来に備えることは大切ですが、それによって今を全然楽しめないのであれば、本末転倒です。この感覚は、以前書いた 今と未来のバランスで後悔しない人生設計術 の考え方とかなり近いです。

3. 2を満たしつつ、50代で辞めようと思えば辞められる状態を目指す

これが、いまの我が家の現在地です。最短でFIREすることではなく、「今も楽しみながら、将来の選択肢を増やす」ことを重視しています。

我が家が FIRE を最優先にしなかった理由

仕事を辞めること自体が目的ではなかったから

FIREを目指す人の中には、「とにかく会社を辞めたい」「早く自由になりたい」という強い目的がある人もいると思います。その場合、FIREはかなり筋の良い選択肢です。

ただ、我が家はそこが違いました。私はそもそも仕事が好きですし、年収を上げる努力もそこまで苦ではありません。妻も「仕事が大好き」とまでは言わないものの、働かないのは嫌という感覚があります。つまり、我が家では「早く仕事を辞めること」自体が目的ではありませんでした。

手段が目的化すると、判断がズレやすいから

今回の話で伝えたい大きなポイントはここです。FIREは本来、人生の目的を実現するための1つの手段です。でも、お金の話になると、いつの間にか「FIREすること自体」が目的化しやすいと感じています。

これは以前書いた 目的・手段・前提を分けて考える話 と同じで、先に手段から入ると、判断がズレやすくなります。我が家では「何のために資産形成するのか」を夫婦で先に合わせたことで、FIREという言葉に引っ張られすぎずに済みました。

今を削りすぎる資産形成は、我が家の価値観に合わなかったから

金融庁も、資産形成の基本は家計管理とライフプランニングにあると整理しています。つまり、先に人生設計があって、その後に貯蓄や投資の手段を考えるのが自然です。

我が家の価値観では、「60歳か65歳までに必要なお金を用意できるなら、その途中で今を削りすぎないこと」も同じくらい重要でした。将来のために我慢しすぎて、家族との時間や日々の楽しさが痩せていくなら、たとえ資産額が増えても納得感が薄いと思っています。

「辞めたい」ではなく「辞めてもいい」を目指したかったから

我が家が求めていたのは、早くリタイアすることではなく、50代で「辞めてもいい」という選択肢を持つことでした。これはかなり大きな違いです。

辞めることが前提だと、資産形成も最短距離を求めやすくなります。一方で、「辞めてもいい」という状態を目指す考え方なら、仕事が好きなうちは続けてもいいし、疲れたら辞めてもいい。働き方の自由度が上がります。我が家にとっては、このほうが自然でした。

現在の我が家の立ち位置

結果として、今の我が家は「③ ②を満たしつつ、50代でリタイヤしようと思えば、リタイヤできる状態を目指す」という状態で進めています。

私が仕事を好きでいられていること、年収を上げる努力も継続できていること、妻も共働きを続けられていることが大きいです。ただし、これは今の状態がそうだというだけで、今後ずっと変わらないとは思っていません。50代まではまだ時間がありますし、ライフイベントや健康状態、働き方の変化によって、将来的に②寄りになるかもしれないですし、場合によっては①までしかできなくなることも可能性としてはあると思っています。

でも、そうなったとしても、我が家ではすでに「何を優先するか」の共通認識があります。ここが、ただ流行りの言葉に乗るよりも大きかったと感じています。

この考え方の良かった点

夫婦で判断基準を共有できた

お金の話は、放っておくとなんとなくズレます。片方は将来不安を強く見て、もう片方は今の生活を重視する、ということも普通にあります。今回のように先に目的を話しておくと、個別の投資判断や支出判断でもズレにくくなります。

投資や貯金の意味づけがしやすくなった

我が家では、投資は「FIRE達成ゲーム」のためではなく、「将来の不安を減らしながら、今も楽しめる状態をつくるため」の手段になっています。この整理ができると、増やすこと自体に振り回されにくくなります。

状況が変わっても修正しやすい

最初から「絶対に45歳でFIREする」などの固定目標にしなかったことで、家族状況や仕事状況が変わっても調整しやすいです。我が家はこの柔軟性がかなり大きいと思っています。

気になる点・注意点

目標がやや中長期で、派手さはない

FIREのように明確で強い目標と比べると、我が家の方針は少し地味です。「最短でこれを達成する」というわかりやすさは弱いです。

仕事が嫌いな人には、そのままは合わないかもしれない

我が家の結論は、私が仕事を好きで、妻も働かない状態を望んでいない、という前提に支えられています。もし仕事のストレスが非常に強い人なら、もっとFIRE寄りの判断になるほうが自然だと思います。

定期的な見直しは必要

金融庁でもライフプランに沿って、いつどれだけお金が必要かを考えることが重視されています。つまり、一度決めたら終わりではなく、家族や仕事の状況に応じて見直す前提が必要です。

総合評価

評価項目コメント
目的の明確さ★★★★★FIREそのものではなく、何のためにお金を貯めるかが明確です
夫婦の納得感★★★★★お互いの価値観を言語化して揃えられています
今と未来のバランス★★★★★将来だけでなく、今を楽しむ前提を置けています
柔軟性★★★★★①〜③の優先順位で状況変化に対応しやすいです
再現性★★★☆☆仕事観や夫婦の前提が違う家庭にはそのままは当てはまりません
スピード感★★★☆☆最短FIREを目指す設計ではないため、資産形成の加速感は限定的です

総合評価:★★★★☆ (4.3/5.0)

まとめ

我が家にとっていちばん大事だったのは、「FIREを目指すかどうか」そのものではありませんでした。いちばん大事だったのは、「何のためにお金を貯めるのか」「どんな人生にしたいのか」を夫婦で先に明確にしたことです。

その結果、我が家では「60歳か65歳までに老後資金を整える」「そのうえで今も楽しむ」「さらに余力があれば50代で辞めてもいい状態を目指す」という順番になりました。今のところは③で進めていますが、今後は②や①に変わるかもしれません。それでも、判断軸が共有できているだけで、資産形成の納得感はかなり変わると感じています。

もし今、FIREを目指すべきか迷っているなら、いきなり投資額や退職年齢を決める前に、まずは「自分たちは何を目指すのか」を整理してみるのがおすすめです。あわせて、今と未来のバランスで後悔しない人生設計術目的・手段・前提を分けて考える話 も読むと、かなりつながって理解しやすいと思います。

一緒に、将来どうなりたいのか整理していきましょう!


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