長期休暇で転職したくなった時の整理術|勢いで会社を辞めないために

キャリア・スキル
長期休暇で転職したくなった時の整理術|勢いで会社を辞めないために

GWのような長期休暇に入ると、「もう会社を辞めたい」と急に強く思うことはありませんか。

以前から転職を考えていた人はもちろん、普段はそこまで強く意識していなかった人でも、長期休暇中にふと「このままでいいのか」と考え込むことがあります。実際、若手社会人の約6割が「連休明けに仕事を辞めたい」と感じた経験があり、休み明けの出勤に抵抗感を抱いたことがある人は約8割、連休明けにモチベーションが下がる人は約9割という調査もあります。長期休暇中に転職を考えたくなるのは、珍しいことではありません。 

ここ最近、このブログでも転職にまつわる記事が増えていますが、私の周りでも転職を考える人は確実に増えています。そして、GWを過ごしていて、やはりこういう長期休暇の時期は「辞めたい」と考える人が多いよな、と改めて感じました。

私は、長期休暇中に転職を考えること自体は悪いことではないと思っています。むしろ、時間に余裕があるからこそ、自分のキャリアを見直せるのは良いことです。問題は、冷静に整理して出した結論なのか、それとも休暇中の解放感と仕事ストレスの反動で出た感情なのかを区別しないまま、勢いで決めてしまうことだと思っています。

この記事は、転職シリーズの1記事として、長期休暇中に転職したくなった時に最初に整理したいこと、退職届を出す前に確認したいこと、そして基本的には在職中に進めたほうがよい理由をまとめたものです。転職を止めるための記事ではなく、後悔しにくい判断をするための記事として読んでもらえたらと思います。

なぜ長期休暇中に転職したくなるのか

長期休暇中に転職したくなる理由は、大きく2つあると思っています。

1つ目は、普段より時間があるからこそ、いろいろ考えられることです。
日々の仕事に追われている時は、「不満はあるけど考える余裕がない」という状態になりがちです。一方で、長期休暇に入ると、今後の働き方や将来のことを考える余白が生まれます。これは健全な振り返りですし、むしろ必要な時間だと思います。実際、連休明けに辞めたい気持ちが高まる背景には、連休中に将来やキャリアを見直す出来事があることが多いのかと思います。

2つ目は、普段のストレスが休暇中に一時的になくなることで、その差分が大きく見えることです。
仕事がない状態で心身が少し楽になると、普段の職場環境や業務ストレスが、より嫌なものとして浮かび上がって見えることがあります。これは決して気のせいではなく、休暇中に職場ストレスから離れることで違和感が鮮明になる、ということだと思います。

この2つのうち、前者のように時間の余裕から冷静に考えた結果として転職を決意するのは、かなり良いことだと思います。
一方で後者、つまり休暇中の解放感と仕事ストレスの落差だけで「もう無理だ」と勢いで決めるのは危険です。ここを分けて考えられるかどうかで、後悔のしやすさはかなり変わるはずです。

こんな人におすすめ

  • 長期休暇に入るたびに「会社を辞めたい」と思う人
  • 今の不満が感情なのか、本質的な問題なのか分からない人
  • 退職を伝える前に整理しておくべきことを知りたい人
  • 在職中に転職活動を始める意味を知りたい人

最初に整理したいのは「なぜ辞めたいのか」

長期休暇中に転職したくなった時、最初にやるべきことは求人検索ではなく、辞めたい理由の分解です。
少なくとも、私は以下の3つに分けて整理するのが重要だと思っています。

1. 本来やりたいことができるはずの職場なのに、やれていないのか

たとえば、「今の会社や部署なら本来できるはずなのに、自分の役割や上司との関係、任せられ方の問題でやれていない」というケースです。

この場合、転職が最適解とは限りません。
上司への相談、異動希望、業務分担の見直し、評価面談でのすり合わせなど、現職の中で解決できる可能性があります。転職は大きな手段ですが、目的が「やりたいことをやる」なのであれば、今の会社で達成できる余地があるかを先に見たほうが合理的です。 

2. そもそも今の職場では、やりたいことをやるのが難しいのか

こちらは、今の会社や業種・職種の構造上、そもそもやりたいことが実現しにくいケースです。
たとえば「もっと企画寄りに行きたいのに、今の職種ではずっと運用中心」「業界的に働き方が固定されていて、やりたい働き方が選べない」などです。

この場合は、転職を考える意味が大きいです。ただし、ここでもさらに整理が必要です。
そのやりたいことは、今のキャリアの延長線上で行けるのか、それとも未経験として別のキャリアを築く必要があるのか。もし全く別のキャリアに行くなら、一般的には給与が下がる可能性もありますし、そのために必要な知識や資格、未経験転職後に求められる努力も現実的に見ておく必要があります。 

3. 人間関係を含めた職場環境が嫌なのか

長期休暇中に「辞めたい」と感じる理由として、実はかなり多いのがこれだと思います。
ただ、職場環境が嫌といっても中身はかなり違います。

  • ハラスメントがあるのか
  • 単純に気の合う人がいなくてやりにくいのか
  • 会社の文化や価値観が合わないのか
  • 残業が多すぎるのか
  • 評価のされ方に納得できないのか

ここを雑に「職場が嫌」とまとめてしまうと、次の会社でも似た問題にぶつかる可能性があります。
だからこそ、「何が嫌なのか」をもう一段具体化することが必要です。

辞めたい理由を整理するための3分類シート

長期休暇中にモヤモヤした時は、まず下のように書き出すのがおすすめです。

分類典型例辞める前に確認したいこと
① 本来できるはずなのにできていないやりたい業務を任せてもらえない、役割がズレている上司相談、異動希望、評価面談、業務の切り出しで解決できないか
② そもそも今の職場では難しい業種・職種の構造上、やりたいことが実現しにくい同業界で可能か、異業種・異職種が必要か、年収変動や必要スキルはどうか
③ 職場環境が嫌人間関係、文化、残業、ハラスメント、評価不満一時的な相性問題か、構造問題か、健康リスクがあるレベルか

この整理をするだけでも、「今すぐ退職届を出すべき話なのか」「まず別の打ち手を試すべきなのか」はかなり見えてきます。

退職届を出す前に、最低限ここまで整理したい

辞めたい理由が整理できたとしても、その次に辞めた後の見通しがなければ、まだ退職の判断は早いと私は思っています。

少なくとも、以下はイメージできていない状態で辞める決断をしないほうがいいです。

  • 不満を解消できる業界、業種、会社はどこか
  • その転職先で見込める給与はどれくらいか
  • 転職に向けて今のうちに努力すべきことは何か
  • 転職後に努力すべきことは何か
  • 未経験に行くなら、どんな資格や知識が必要か
  • 貯蓄状況から見て、どの程度の無職期間まで耐えられるか

ここまで整理できているなら、退職届を出すのが絶対NGとは言いません。
ただ、逆に言えば、ここが曖昧なまま辞めるのはかなり危険です。

感情が高ぶっている時こそ「目的→前提→手段」で考える

長期休暇中の転職判断で役立つのが、以前書いた目的と手段と前提を揃える考え方です。

転職で言えば、

  • 目的:何を変えたいのか。年収か、働き方か、仕事内容か
  • 前提:給与はどこまで許容できるか、家族事情はどうか、勤務地はどうしたいか
  • 手段:転職、異動、上司相談、休職、学び直しのどれを取るか

という順番で考えるべきです。
長期休暇中は、感情が先に動いて「辞める」が最初に来やすいですが、それは本来は手段です。手段から入ると、目的と前提が抜け落ちやすくなります。

基本は「辞める前に転職活動を始める」が無難

個人的には、転職のために職歴に穴をあけてでも先に辞めるより、現職で働きながら転職活動をする方が無難だと考えています。

在職中に転職活動をするメリットはかなり大きいです。
具体的には、収入が途切れない、ブランクができない、焦って内定先を決めなくて済む、納得いくまで求人を探せる、そして「転職しない」という選択肢も持ったまま市場価値を確認できることです。

逆に、辞めてから転職活動を始めると、貯蓄状況にもよりますが、どうしてもデッドラインが生まれます。
その結果、本来の希望条件に合わない会社でも「とりあえず内定を取らないと」という焦りから妥協してしまう可能性が高くなります。面接でも、その焦りがにじむと本来の力が出にくくなります。 

さらに、在職中に活動してみて「現職以上の会社が見つからない」「自分の不満は転職では解消しない」と分かれば、転職しないという選択肢も取れます。これは、退職後には持ちにくい余裕です。 

長期休暇中にちょっと調べただけでは、情報は意外と偏る

とはいえ、不満を解消できる業界や業種、会社、給与の見込み、必要な努力などは、長期休暇中に少し検索しただけでは、正確に把握できているか怪しいことも多いです。

だからこそ、私は転職エージェントなど第三者の視点を入れながら、少し時間をかけて整理することをおすすめします。
時間をかけることで、情報の精度が上がるだけでなく、一時の感情が落ち着く期間も作れます。感情が高ぶっている時に出した結論は、落ち着いた後に見直すと全く違うものになることが本当に多いからです。 

転職エージェントの使い方については、以前書いた転職エージェント活用術!市場価値を最大化する面談テクニックで詳しく整理しています。エージェントは求人紹介だけでなく、自分の市場価値を客観的に測るためのツールとしても使えます。 

また、「今すぐ辞めるかどうか」より少し広い視点で、自分の市場価値を定期的に確認すること自体がキャリア自衛策になる、という考え方は転職活動をしないリスク|5社経験のITコンサルが語るキャリア自衛策でもまとめています。

ただし、先に休職・退職を選んだ方がいいケースもある

ここまで「感情で辞めないほうがいい」「基本は在職中に進めたほうがいい」と書いてきましたが、例外はあります。

たとえば、

  • 酷いハラスメントを受けている
  • 精神的にかなり追い込まれている
  • 寝られない
  • 食べられない
  • 動悸がする
  • 生活が明らかに乱れている

こうした状態であれば、先に休職や退職を選ぶのも十分ありだと思います。
実際、「仕事をしばらく休みたい」と感じること自体は心のSOSであり、睡眠の質の低下、食欲減退、生活の乱れなどがある場合は、無理をせず相談や休職を検討すべきサインとされています。

この場合は、キャリア戦略よりもまず健康です。
冷静な判断ができる状態を取り戻すことが先で、その後に転職を考えても遅くありません。 

長期休暇中に転職したくなった時のチェックリスト

最後に、私なら長期休暇中に「辞めたい」と思った時は、以下を順に確認します。

チェック項目確認内容
辞めたい理由は何か①本来できるはずのことができていないのか
②そもそも難しいのか
③環境が嫌なのか
その問題は現職で解決できないか上司相談、異動、役割調整で改善余地はないか
転職で本当に解決するか次の業界・職種・会社で再発しないか
年収や働き方はどう変わるか下がる可能性、勤務地、残業、福利厚生は許容範囲か
何を準備すべきかスキル、資格、職務経歴書、面接準備、エージェント面談
今すぐ辞める必要があるか健康リスクが高いのか、在職中に進められるのか

このチェックを飛ばして「休み中に嫌になったから辞める」となると、後悔しやすいです。
逆に、ここまで整理しても「やはり転職したい」と思うなら、その判断にはかなり意味があると思います。

★総合評価

評価項目評価コメント
感情整理のしやすさ★★★★★長期休暇中に出やすい「辞めたい」を、勢いではなく構造で見直せる内容です。
実用性★★★★★辞めたい理由の3分類やチェックリストが、そのまま自己整理に使えます。
再現性★★★★★GW、お盆、年末年始など、長期休暇のたびに使い回せる考え方です。
転職判断への有効性★★★★★退職前に考えるべき論点がまとまっており、誤判断を減らしやすいです。
在職中転職との相性★★★★★在職中に動くメリットとの接続が明確で、次の行動に移しやすいです。
キャリア自衛策としての価値★★★★☆転職前提に偏らず、「辞めない選択肢」も含めた判断に役立つ内容です。

総合評価:★★★★☆ (4.8/5.0)

まとめ|長期休暇中に転職したくなっても、まずは整理が先

大切なのは、長期休暇中の「辞めたい」を否定せず、それをそのまま退職判断に直結させないことだと思っています。辞めたい気持ちが出てくるのは自然です。ただ、その理由が「時間の余裕からくる冷静な判断」なのか、「ストレスから解放された反動」なのかは分けて考えたほうがいいです。

私自身、GWのような長期休暇を過ごしていると、「やっぱりこういう時期は会社を辞めたくなる人が増えるよな」と感じます。そして、周りでも転職を考える人が確実に増えています。だからこそ、勢いで退職届を出すのではなく、まず「なぜ辞めたいのか」「辞めた後はどうするのか」を整理することが大事だと思っています。

一緒に、長期休暇のモヤモヤを後悔しにくいキャリア判断につなげていきましょう!


カイゼンパパのプロフィール

コメント

タイトルとURLをコピーしました