「雑談って、なんとなくやるもの」だと思っていませんか?
Webミーティングが増えてから、雑談が消えた。
予定時間にルームに入る。時間になったら即退出する。
数分前に参加者が揃っても、全員ミュートで誰も話さない。
コロナ前は自然に生まれていた「ひとこと」が、今は意識しないと生まれない時代になりました。
私はコンサルとして日々打合せをしていますが、仕事の前後にある短い雑談が、
実は信頼関係を作る大事な時間だとずっと感じてきました。
そんな中で手に取ったのが、この一冊です。
読んでみたら、「雑談が上手い人」の正体がハッキリわかりました。
この記事では、2025年11月に読んだ『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』を、
コンサルとして働く私の実体験を交えながら正直にレビューします。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 世界の一流は「雑談」で何を話しているのか |
| 著者 | ピョートル・フェリクス・グジバチ |
| 出版社 | クロスメディア・パブリッシング |
| 発売日 | 2023年4月 |
| ページ数 | 240ページ |
| 価格 | 1,628円(税込) |
著者について:
ポーランド出身。モルガン・スタンレーやグーグル日本法人で人材育成・組織開発に従事。
来日23年以上のグローバルビジネスの専門家で、『NEW ELITE』などのベストセラー著者でもあります。
この本を読もうと思ったきっかけ
コンサルとして働いていると、1日に複数の打合せが入ります。
仕事の内容はもちろん大切。でも、どれだけ仕事ができても、雑談ゼロで仕事だけこなす人より、 人間関係を作ってから進める人の方が、最終的に協力してもらいやすくアウトプットが出やすいと感じてきました。
Webミーティングが主流になった今、その雑談の機会がどんどん失われています。
だからこそ、意識的に雑談を作る時代になったと感じていました。
そんなタイミングで本書を見つけ、2025年11月に読みました。
どんな本?3分でわかる内容まとめ
日本の雑談 vs 世界の雑談
日本では雑談=「天気の話」「社交辞令」「本題前の潤滑油」というイメージが強いです。
でも世界の一流ビジネスマンにとって、雑談は「武器」。
| 項目 | 日本の雑談 | 世界の雑談 |
|---|---|---|
| 目的 | 場を和ませる・空気を埋める | 成果を出すための戦略的対話 |
| 内容 | 天気・社交辞令・定型フレーズ | 相手を知る・自分を知ってもらう |
| 準備 | なし(なんとなく) | 明確な意図と事前準備あり |
| 結果 | 会話が表面的に終わる | 信頼関係・情報収集・成果につながる |
雑談の「5つの意図」
一流のビジネスマンが雑談で常に持っている意図はこの5つ。
- 状況を確認する(相手の状態・ビジネス環境を把握する)
- 情報を伝える(自己開示で相手の警戒心を解く)
- 情報を得る(相手の価値観・考え方を引き出す)
- 信用を作る(ラポール=心理的安全性を構築する)
- 意思を決定する(次のアクションに向けて場を整える)
商談における雑談の「4つの目的」
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| つながる | 相手と個人レベルの関係を作る |
| 調べる | 相手の状況・ニーズを把握する |
| 伝える | 自分の価値観・考えを伝える |
| 共有する | 共通の課題・目標を見つける |
雑談の武器は「自己開示」と「準備」
一流の雑談に必要な準備は2段階。
ステップ1:自己認識を深める
- 自分の「価値観」「信念」「希望・期待」を整理しておく
- 話す前に「自分はどんな人間か」を言語化しておく
ステップ2:相手を知る7つの質問を用意する
- あなたは仕事を通じて何を得たいですか?
- それはなぜ必要ですか?
- 何をもっていい仕事をしたと言えますか?
- なぜ今の仕事を選んだのですか?
- 去年と今年の仕事はどのようにつながっていますか?
- あなたの一番の強みは何ですか?
- あなたは今どんなサポートが必要ですか?
読んで一番刺さったこと
「雑談には明確な意図と目的を持つことが重要」
このメッセージが一番印象に残りました。
実は私、20代の頃に上司から
「お客さんとの雑談は大切だよ」
と言われたことがあります。
雑談を意識するようになってから、今度は別の指摘を受けました。
「もう少し相手のことを知って、自分の情報も違和感なく開示するような話をして、
相手に1歩踏み込めるようになると良いよね」
当時は「もっと頑張ろう」くらいにしか思えなかったのですが、
この本を読んで「あれは準備が足りていなかったということだったんだ」とスッキリ理解できました。
自己開示するには、先に自己認識が必要。
自分がどんな価値観・信念・希望を持っているかを整理しておかないと、
適切なタイミングで適切な自分の情報を出せないんですよね。
今でこそ雑談もできるようになってきましたが、
「なぜ雑談が重要なのか」「どうすれば上手くなるのか」が言語化できていなかった。
この本はその「言語化」を助けてくれる一冊でした。
コンサルとして感じた、この本の使い道
✅ 自分自身のアップデートに
雑談の「感覚値」は持っていても、言語化できていない部分が多かった。
この本で体系的に整理できました。
✅ 部下の指導・育成に
「雑談しなさい」と言うだけでは伝わらない。
なぜ必要か・何を意識するかを論理的に説明できるようになります。
特に若手の育成にすぐ使えるフレームワークが揃っています。
✅ Webミーティング時代の雑談戦略として
対面が減った今こそ、意図的に雑談の場を作る必要があります。
本書のフレームワークは、オンラインでも実践できる内容です。
良い点・気になる点
✅ 良い点
- 「雑談は準備するもの」という視点が新鮮:なんとなくこなしていた雑談が言語化される
- グローバル視点が独自:日本とポーランド・アメリカ・欧州の雑談文化の違いが理解できる
- 部下指導にも使えるフレームワーク:「7つの質問」など実践的ですぐ使える
- 読みやすい文章:ビジネス書にありがちな堅苦しさがなく、すらすら読める
❌ 気になる点
- 雑談初心者には少しレベルが高い:「人並みに雑談できる人」がワンステップ上を目指す本
- 具体的なトーク例は少なめ:概念・フレームワーク中心なので実際の会話例をもっと見たい
- すぐ使えるネタ集ではない:「雑談ネタを増やしたい」という人には物足りないかも
こんな人におすすめ ✅ / おすすめしない ❌
✅ コンサル・営業・管理職など打合せが多い仕事の人
✅ 雑談は「なんとなく」やっていて言語化できていない人
✅ 部下に「コミュニケーションを大切にして」と伝えたい管理職
✅ Webミーティングで雑談が減ったと感じているビジネスパーソン
✅ 海外のビジネスコミュニケーションに興味がある人
❌ 雑談ネタを増やしたい人(ハウツー本ではありません)
❌ 「雑談が怖い」レベルの超初心者(まずは入門書がおすすめ)
総合評価
| 評価項目 | 星 | コメント |
|---|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★★ | 平易な文章で読みやすい |
| 内容の実用性 | ★★★★☆ | フレームワークは使える。会話例がもう少し欲しい |
| グローバル視点 | ★★★★★ | 著者のバックグラウンドが活きている |
| 部下指導への応用 | ★★★★★ | 「なぜ雑談が大切か」を論理的に伝えられる |
| コストパフォーマンス | ★★★★★ | 1,628円でコミュニケーションが変わるなら安い |
| 再読価値 | ★★★★☆ | 節目ごとに読み返したい一冊 |
総合評価:★★★★☆ (4.7/5.0)
雑談を「感覚」から「戦略」に変えてくれる本だと思いました。
まとめ
この本の最大の価値は「雑談を感覚から戦略に変えてくれる」こと。
「雑談が大切」とはわかっていても、なぜ大切で、どう準備すればいいのかを言語化できていなかった私にとって、
読んでいてスッキリする瞬間が何度もありました。
特に印象に残ったのは「自己開示するには自己認識が先に必要」という視点。
20代の頃に上司から指摘されたあのひとことの意味が、
この本を読んでようやくクリアになった気がします。
コンサル・営業・管理職など、打合せが多い方、
そしてWebミーティング時代に「雑談が消えた…」と感じているすべてのビジネスパーソンに、
ぜひ一度手に取ってほしい一冊です。
一緒に「意図ある雑談」で信頼関係をカイゼンしていきましょう!

コメント