【ITコンサル推薦】「考える技術・書く技術」レビュー|ピラミッド原則で変わった思考法と仕事術

キャリア・スキル

「ロジカルシンキングの本なんて、どれも似たようなもの」

社会人数年目の私は、そう思っていました。 しかし、「考える技術・書く技術」との出会いが、私の考え方の基礎を根本から変えました。

ITコンサルとして論理的思考が求められる環境で、この本から学んだ「ピラミッド原則」は、資料作成、プレゼンテーション、問題解決のあらゆる場面で威力を発揮し続けています。

今回は、コンサルティング業界で「必読書」として語り継がれるこの名著の魅力と、実際のビジネスでの活用方法について詳しくご紹介します。

なぜこの本を選んだのか

論理的思考の壁にぶつかった社会人時代

社会人数年目、上司からの「もっと論理的に考えて」「結論を先に言って」という指摘に悩んでいました。大学時代に学んだ知識だけでは、実際のビジネスシーンで求められる「考える力・伝える力」が圧倒的に不足していることを痛感していました。

上司からの一言がきっかけ

「君にはこれが必要だ」

そう言って渡されたのが、この「考える技術・書く技術」でした。

「マッキンゼーをはじめとする主要コンサルファームで教えられている思考法」という説明を聞き、半信半疑ながらも手に取ったのが始まりでした。

他書との決定的な違い

市場には多くのロジカルシンキング本が溢れていますが、この本の独自性は以下の点にありました:

  • 実践的な「ピラミッド原則」という明確な手法
  • 世界最高峰のコンサルファームでの実証済みメソッド
  • 思考と表現を同時に鍛える統合的アプローチ

書籍詳細情報

基本情報

  • 書籍名:新版 考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則
  • 著者:バーバラ・ミント
  • 価格:約3,000円
  • ページ数:約300ページ
  • 出版社:ダイヤモンド社

著者の権威性

バーバラ・ミントは元マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントで、同社で最初に雇われた女性コンサルタントの一人。マッキンゼーでライティング指導を担当し、その後世界の主要コンサルティングファームで教鞭を執った、まさに「論理的文章術の権威」です。

業界での評価

  • マッキンゼー・アンド・カンパニーで実際に採用されているライティング手法
  • コンサル業界でも多くの同僚が読んでおり、社内推薦図書として挙がることも多い名著
  • 40年以上読み継がれるロングセラー

実践して分かった3つの価値

👍 期待を上回った点

1. 考え方の基礎確立

ピラミッド原則による思考整理

この本の核心である「ピラミッド原則」は、あらゆる思考を階層構造で整理する手法です。

  • 結論を頂点に据える
  • 根拠を論理的に配置する
  • 詳細を下位レベルで展開する

この構造を意識するようになってから、考えがまとまらない状況が激減しました。

演繹法・帰納法の実践的理解

学生時代に学んだ論理学が、実際のビジネスでどう活用すべきかが明確になりました。特に、状況に応じて演繹と帰納を使い分ける技術は、問題解決の精度を大幅に向上させました。

「結論ファースト」の習慣化

最も大きな変化は、常に「結論から話す」習慣が身についたことです。会議でも資料作成でも、まず結論を明示してから根拠を展開するスタイルが自然にできるようになりました。

2. コミュニケーション力向上

人に物事を伝える技術の劇的改善

ピラミッド原則を使うことで、相手の理解度に関係なく、一定の品質で情報を伝達できるようになりました。特に、複雑な技術的内容を非エンジニアに説明する場面で、その効果を強く実感しています。

資料作成スピードの改善

構造を先に決めてから詳細を書く習慣により、資料作成時間が約30%短縮されました。「何を書こうか」で悩む時間が大幅に減少し、より本質的な内容検討に時間を使えるようになりました。

プレゼンテーションの説得力向上

論点が整理されたプレゼンテーションにより、顧客からの理解度が明らかに向上。「分かりやすい説明ですね」という評価を頻繁にいただけるようになりました。

3. 応用範囲の広さ

問題解決への応用

ITコンサルの核心業務である問題解決において、ピラミッド原則は強力なツールとなりました。問題を構造化し、解決策を論理的に導き出すプロセスが格段にスムーズになりました。

日常会話での論理展開

ビジネスシーンだけでなく、日常の議論や説明においても、相手に納得してもらえる確率が大幅に向上しました。

メール・報告書での活用

短いメールから長文の報告書まで、あらゆる文書作成において一貫した論理構造を保てるようになり、読み手からの理解度と評価が向上しました。

👎 注意すべき点

1. 理解の難しさ

初回読書では理解困難

正直に言うと、最初に読んだ時は「何が書いてあるのか分からない」状態でした。抽象的な概念が多く、具体例だけでは本質を掴むのに時間がかかりました。

実践練習が必須

読んだだけでは身につかず、実際の業務で繰り返し練習することが必要でした。習得には継続的な実践が必要でした。

2. 翻訳書特有の読みにくさ

文章の硬さ

原書が英語のため、日本語として読みにくい部分が多々あります。慣れるまでは読み進めるのに時間がかかりました。

文化的背景の違い

アメリカのビジネス文化をベースにした内容のため、日本の「和」を重視する文化との調整が必要な場面もありました。

3. 即効性の限界

習得に時間がかかるため、「明日すぐに使える」というタイプのノウハウではありません。中長期的な自己投資として捉える必要があります。

🏆 投資価値の検証

投資内容

書籍代:約3,000円
学習(読書)時間:約20時間(実践時間除く)
合計投資:約3,000円(時間コストを除く)

得られた効果

ITコンサルとしての業務改善効果

  • 資料作成時間短縮:約30分/日
  • 会議での説明時間短縮:約15分/日
  • 合計時短効果:約45分/日

年間効果計算

  • 45分 × 240営業日 = 180時間/年

定性的効果

  • 顧客からの評価向上(説得力ある提案)
  • 社内での信頼度アップ(論理的な報告・提案)
  • 自信の向上(確固たる思考フレームワーク習得)

実際のビジネス活用例

顧客提案資料での活用

Before:散漫な構成で要点が不明確
After:結論→根拠→詳細の明確な構造

結果:提案採用率が約3~40%向上

会議での論点整理

ピラミッド原則による議論構造化

  1. 議題(頂点)を明確化
  2. 論点を階層化
  3. 結論への道筋を可視化

結果:会議時間30%短縮、決定事項の明確化

問題解決プロセス

構造化された問題解決アプローチ

  1. 問題の本質を特定(頂点)
  2. 原因を階層化して分析
  3. 解決策を論理的に導出

結果:問題解決の精度とスピード大幅向上

まとめ:3,000円で人生が変わる投資価値

📊 総合評価

評価項目評価コメント
思考力向上効果★★★★★論理的思考の基礎が確実に身につく
実用性★★★★★あらゆるビジネスシーンで活用可能
理解しやすさ★★☆☆☆翻訳書で難解、繰り返し読書が必要
価格★★★★★3,000円で得られる効果は絶大
長期活用性★★★★★一生使えるスキルが身につく
コンサル適合性★★★★★業界必須スキル、キャリアに直結

総合評価:★★★★☆(4.3/5.0)

最終判断

この本から学んだ「ピラミッド原則」は、ITコンサルとしての私のキャリアを根本から変えました。

特に以下の点で大きな価値を実感:

  1. 思考の質的向上:曖昧だった考えが明確な構造を持つように
  2. コミュニケーション力強化:相手に確実に伝わる技術の習得
  3. 業務効率の改善:資料作成・会議運営の大幅な時間短縮
  4. キャリア発展:論理的思考力による評価向上

3,000円という投資額に対して、得られる価値はとても大きなものでした。資料作成時間の短縮、会議での説明力向上、問題解決スキルの向上など、日々の業務で実感できる効果が多数あります。一度身につけたスキルは一生使え続けるため、生涯価値は計り知れません。

購入をおすすめする人・しない人

おすすめする人

論理的思考力を根本から鍛えたい人 基礎から体系的に学べる決定版

資料作成・プレゼンに悩んでいる人 構造化された伝達技術が身につく

コンサル・企画職の人 業界標準スキルとして必須

長期的な自己投資を重視する人 一生使えるスキルが習得可能

昇進・転職でアピールポイントが欲しい人 論理的思考力は普遍的な評価軸

おすすめしない人

即効性を求める人 習得に3ヶ月程度の継続学習が必要

読書が苦手な人 抽象的で難解な内容のため

実践する気がない人 読むだけでは効果が得られない

翻訳書に抵抗がある人 原書が英語で文章が硬め

「論理的思考なんて必要ない」と感じている方には不要ですが、ITコンサルや企画職であれば、遅かれ早かれ必要になるスキルです。早めの習得をおすすめします。

一緒に論理的思考力を磨いていきましょう!


カイゼンパパのプロフィール

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