30代投資家が振り返る:20代で住宅購入を検討した投資的判断

家計・節約
20代で住宅購入を検討した投資的判断

「家賃を払い続けるなんて、お金をドブに捨てているようなもの」

20代後半で投資を始める前の私は、そう考えていました。しかし、投資の勉強を重ね、機会費用や資産の流動性について理解が深まった当時、住宅購入を真剣に検討した結果は全く逆の結論でした。

現在30代となりコンサルとして働きながら投資歴を重ね、あの時の判断を振り返ると「賃貸継続」という選択は正解だったと確信しています。

今回は「CXコンサルの生活改善術」ブログの家計・節約として、20代で投資思考を身につけた私がどう住宅購入を判断したか、現在の視点も交えてご紹介します。

  1. こんな人におすすめ
  2. 20代後半:投資思考が変えた住宅への考え方
    1. 投資を始める前の住宅観
    2. 投資学習後に見えた真実(20代後半当時)
  3. 20代当時に分析した住宅購入vs賃貸の正確なコスト比較
    1. 住宅営業の甘い罠:月々返済額だけの比較
    2. 賃貸(家賃12万円)の真のコスト
    3. 住宅購入(4,000万円)の真のコスト
    4. 20代当時の分析結果:驚愕の差額
  4. 20代の私が賃貸選択した3つの投資的理由
    1. 1. 機会費用の最適化を重視
    2. 2. 20代特有のライフステージ変化リスク
    3. 3. 投資におけるリスク分散の考え方
  5. 20代当時に痛感した「良い土地」購入の現実
    1. 地価上昇が期待できる立地の条件
    2. 20代年収との現実的な乖離
    3. 人口減少社会の住宅事情
  6. 投資家視点での住宅選択フレームワーク(20代当時構築)
    1. 20代当時に設定した3つの判断軸
      1. 1. 資産性(Asset Value)
      2. 2. 流動性(Liquidity)
      3. 3. 機会費用(Opportunity Cost)
    2. 20代当時の投資判断マトリックス
  7. 20代での最終判断と現在30代での振り返り
    1. 20代当時に選択した住居戦略
    2. 30代となった現在の評価:あの判断は正しかった
    3. 投資ポートフォリオの発展成果
    4. 現在の住宅購入タイミング検討
  8. ★総合評価:20代住宅判断の現在での評価
  9. まとめ:20代投資家の判断を30代で振り返る
    1. この選択の最大の価値
    2. 30代になった現在の実感
    3. これから住宅購入を検討する方へ

こんな人におすすめ

✅ 20代〜30代で投資を始めたばかりの方
✅ 住宅購入を検討中だが判断に迷っている方
✅ 投資的視点で住宅選択を考えたい方
✅ 先輩投資家の判断プロセスを知りたい方

20代後半:投資思考が変えた住宅への考え方

投資を始める前の住宅観

20代前半の私にとって、住宅は「資産」の象徴でした。

「家賃は払ったら終わり、でも住宅ローンなら資産が残る」という典型的な持ち家推進論を信じていました。月々の支払額だけを比較して、「ローン返済額の方が安ければお得」という単純な計算をしていたのです。

投資学習後に見えた真実(20代後半当時)

しかし、20代後半で投資の勉強を通じて以下の概念を理解すると、住宅への見方が180度変わりました:

  • 機会費用:その選択によって失う最良の代替案の価値
  • 流動性:資産をすぐに現金化できる程度
  • 真のコスト:見た目の価格以外にかかる全ての費用

これらの観点から住宅購入を再検証すると、当時の私は「賃貸の方が投資効率が良い」という結論に至りました。

20代当時に分析した住宅購入vs賃貸の正確なコスト比較

住宅営業の甘い罠:月々返済額だけの比較

住宅営業の常套句「家賃より安い月々返済で持ち家が手に入る」。20代当時の私は、この甘い言葉に隠された真実を徹底的に数値化しました。

当時検討した比較条件

  • 新築一戸建て:4,000万円
  • 月々返済額:10.6万円(35年ローン、変動金利0.65%)
  • 賃貸家賃:12万円

一見すると月1.4万円も賃貸の方が高く見えますが、実際の総コストは全く違いました。

賃貸(家賃12万円)の真のコスト

多くの人が見落としがちな賃貸の「隠れたコスト」も徹底的に計算しました。

賃貸の初期費用(入居時)

項目金額備考
敷金12万円家賃1ヶ月分
礼金12万円家賃1ヶ月分
仲介手数料13.2万円家賃1ヶ月分+消費税
前家賃12万円翌月分家賃
火災保険2万円2年契約
鍵交換・保証料等8万円初回諸費用
初期費用合計59.2万円

更新関連費用(2年ごと×4回)

項目1回あたり10年間総額
更新料12万円48万円
火災保険更新2万円8万円
更新事務手数料3万円12万円
更新費用計17万円68万円

賃貸10年間の真のコスト

  • 家賃:1,440万円(12万円×120ヶ月)
  • 初期・更新費用:127.2万円
  • その他費用:25万円(退去費用等)
  • 敷金一部返還:▲8万円
  • 賃貸総コスト:1,584.2万円(月13.2万円)

住宅購入(4,000万円)の真のコスト

購入時の初期コスト

項目金額備考
購入諸費用240万円物件価格の6%
火災保険30万円10年分
引越し費用20万円新居対応
初期費用合計290万円

年間ランニングコスト

項目年間コスト10年間総額
固定資産税15万円150万円
修繕積立金24万円240万円
ランニング計39万円390万円

10年後の資産価値現実

  • 購入時:4,000万円
  • 10年後予想価格:3,040万円(76%下落、郊外とはいえ、悪くない立地だったこともあり、大分甘めの判定です)
  • 価値下落額:960万円

住宅購入10年間の真のコスト

  • 初期費用:290万円
  • ローン返済:1,272万円(元利合計)
  • ランニングコスト:390万円
  • 価値下落:960万円
  • 住宅ローン控除:▲341万円
  • 購入総コスト:2,571万円(月21.4万円)

20代当時の分析結果:驚愕の差額

10年間コスト比較

  • 賃貸:月額13.2万円(総額1,584万円)
  • 購入:月額21.4万円(総額2,571万円)
  • 差額:月8.2万円(10年間で987万円の節約)

この987万円の差額を年利5%で投資した場合:

  • 10年後の資産:約1,278万円
  • 複利効果による利益:291万円

賃貸の方が圧倒的にコスト効率が良いことが数値で証明されました。

20代の私が賃貸選択した3つの投資的理由

1. 機会費用の最適化を重視

住宅購入に必要な初期費用290万円と月々8.2万円の差額を投資に回した場合の複利効果を、20代当時の私は重視しました。

投資シミュレーション(20代当時の試算)

  • 初期投資:290万円
  • 月々追加投資:8.2万円
  • 年利:5%
  • 10年後の資産:約1,568万円
  • 純利益:581万円

この複利効果は、住宅の資産価値下落960万円を大きく上回る結果でした。

2. 20代特有のライフステージ変化リスク

20代後半の私が最も重視したのは、ライフスタイル変化への対応力でした:

20代で想定したライフイベント

  • 転職・昇進収入アップ戦略による勤務地変更
  • 結婚・出産:まだ独身だった当時、将来の家族構成は不透明
  • 親の介護:将来的な実家近くへの転居可能性
  • 収入変動:20代のキャリア形成期特有の不安定性

賃貸なら、これらの変化に1〜2ヶ月で対応できる安心感がありました。

3. 投資におけるリスク分散の考え方

投資を学び始めた20代当時、リスク分散の重要性を痛感していました。住宅購入は以下のリスクを一点集中で抱えることになると判断:

住宅購入で背負うリスク

  • 災害リスク:地震、水害、火災による資産喪失
  • 金利上昇リスク:変動金利による返済額増加
  • 地価下落リスク:人口減少による資産価値下落
  • 近隣環境変化:騒音、治安悪化による居住環境悪化
  • 流動性リスク:売却困難による資金拘束

20代投資初心者の私には、これらのリスクを大家さんが負担してくれる賃貸の方が安心でした。

20代当時に痛感した「良い土地」購入の現実

地価上昇が期待できる立地の条件

20代当時に調査した、住宅購入で資産価値を維持・向上させる「良い土地」の条件:

立地条件チェックリスト

  • 主要駅徒歩10分以内
  • 複数路線利用可能
  • 商業施設・病院・学校が充実
  • 人口増加エリア
  • 再開発計画がある

20代年収との現実的な乖離

上記条件を満たす土地価格は、20代後半の私の年収では到底手が届かないレベルでした:

良い土地の価格現実

  • 都心好立地:土地だけで5,000万円〜
  • 建物込み総額:7,000万円〜1億円
  • 必要年収目安:1,500万円以上

当時の年収600万円では、将来の資産価値上昇が期待できない郊外物件しか選択肢がないことが明らかでした。

人口減少社会の住宅事情

20代当時に調べた日本の住宅市場の現実:

日本の住宅市場データ(当時)

  • 空き家数:約820万戸(現在は879万戸以上)
  • 人口減少率:年0.5%程度の継続的減少
  • 新築着工数:年間約90万戸(需要を上回る供給)

この構造的な問題により、よほどの好立地でない限り住宅の資産価値向上は困難と判断しました。

投資家視点での住宅選択フレームワーク(20代当時構築)

20代当時に設定した3つの判断軸

住宅選択を投資判断として捉えるため、20代の私は以下の3軸で評価しました:

1. 資産性(Asset Value)

  • 将来の価値維持・向上可能性
  • 立地の希少性・将来性
  • 建物の耐久性・維持費

2. 流動性(Liquidity)

  • 売却・賃貸転用の容易さ
  • 市場での需要予測
  • 換金までの期間・コスト

3. 機会費用(Opportunity Cost)

  • 他投資商品との利回り比較
  • 住宅購入資金の機会損失
  • 時間・労力コストの評価

20代当時の投資判断マトリックス

項目購入賃貸
資産性△(好立地以外は下落)○(リスクなし)
流動性×(売却に半年以上)◎(即座に対応可能)
機会費用×(年利5%投資を放棄)◎(投資資金確保)

当時の市場環境と私の状況では、賃貸が全ての項目で優位という結果になりました。

20代での最終判断と現在30代での振り返り

20代当時に選択した住居戦略

20代後半の私が選択した住居戦略:

  1. 賃貸継続:家賃12万円の1LDK(職住近接重視)
  2. 投資資金確保:月8.2万円+初期費用290万円を積立投資
  3. 将来の選択肢確保:ライフステージ変化への柔軟対応

30代となった現在の評価:あの判断は正しかった

現在30代になって振り返ると、20代での賃貸選択は以下の理由で正解でした:

実際に起こったライフステージ変化

  • 転職2回:勤務地が大手町→品川→新宿と変化
  • 結婚:配偶者の職場も考慮した住環境選択が必要に
  • 投資額拡大:月27万円まで投資余力が拡大
  • 収入増加戦略的転職活動で年収200万円アップ

これらの変化に賃貸なら柔軟に対応できました。もし住宅を購入していたら、大きな制約となり機会損失は計り知れなかったでしょう。

投資ポートフォリオの発展成果

住宅を「消費」として割り切り、浮いた資金を投資に回した結果:

現在の投資ポートフォリオ

  • 株式投資:70%(国内・海外インデックス)
  • 配当投資:20%(安定収益確保)
  • 現金・預金:10%(機動的資金)

20代から継続した分散投資により、30代現在、安定した資産形成を実現できています。住宅購入資金を投資に回した判断は、期待以上の成果をもたらしました。

現在の住宅購入タイミング検討

30代となった現在でも、住宅購入は慎重に検討する方針です:

現在設定している購入検討条件

  • 年収条件収入アップ戦略で年収1,800万円以上達成
  • 立地条件:駅徒歩5分以内の資産価値維持可能物件
  • 家族条件:子供の学区確定など家族構成の安定
  • 資産条件:投資資産5,000万円達成後

これらの条件が揃えば、住宅購入も合理的な投資判断となる可能性があると考えています。ただし、現時点では賃貸継続が最適解と判断しています。

★総合評価:20代住宅判断の現在での評価

評価項目評価コメント
判断の正確性★★★★★20代時点での判断が30代現在でも正しかったと確信
流動性確保★★★★★転職・結婚等のライフステージ変化に柔軟対応できた
投資効率★★★★★住宅購入資金を投資に回した効果は期待以上だった
リスク管理★★★★★20代特有の不確実性に適切に対処できた
学習効果★★★★☆投資思考による判断プロセスが身についた
総合満足度★★★★★20代の選択として最適解だったと確信

まとめ:20代投資家の判断を30代で振り返る

この選択の最大の価値

20代後半での賃貸継続判断により、年間約100万円の投資余力確保ライフステージ変化への完全な柔軟性を実現できました。20代という人生で最も変化の多い時期において、この選択の価値は計り知れませんでした。

30代になった現在の実感

投資学習により住宅への固定概念が覆され、感情ではなく数値で判断することの重要性を20代で学べたのは大きな財産です。「家賃=ドブに捨てる」から「家賃=柔軟性への投資」へと考え方が変わったことで、より合理的な人生設計が可能になりました。

これから住宅購入を検討する方へ

住宅購入を検討中の20代〜30代投資家の方には、ぜひ真のコスト比較機会費用の観点から検討していただきたいと思います。投資デビュー体験談確定拠出年金とNISA併用戦略と併せて、総合的な資産形成戦略を構築していきましょう。

一緒に合理的な資産形成戦略をカイゼンしていきましょう!


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