「投資?そんなことに時間を使うなら、仕事で成果を出す方がよっぽど確実でしょ!」
そう言い切っていた20代後半の私が、今では毎月想像もしなかった金額を投資に回している話をします。
「あの時の自分に今の投資額を教えたら、きっと『嘘でしょ?』って言うだろうな」
すべての始まりは、会社の制度説明会で何気なく聞いた「企業型確定拠出年金」という制度でした。ITコンサルとして1日10時間以上PCに向かう生活で、お金について真剣に考える暇もなかった私の転機となった体験をお話しします。
今回は「CXコンサルの生活改善術」ブログで初めての資産形成カテゴリの記事として、私の投資デビューストーリーをお届けします。
投資に全く興味がなかった当時の私
まず、投資を始める前の私がどんな考えを持っていたかをお話しします。
なぜ資産形成に興味がなかったのか
働いて稼ぐ方が効率的だと信じていた
「投資で年利5%?それなら残業や副業、スキルアップで確実に収入を上げる方が早いでしょ」という考えでした。ITコンサルとして目の前のプロジェクトに全力投球すれば、昇進や昇給で収入は自然と上がると思っていたんです。
忙しくてお金を使う時間がなかった
プロジェクトが忙しく、お金を使う暇もあまりありませんでした。気づけばある程度の貯金ができていたので、「別に資産形成なんて必要ないでしょ」という状態。今思えば、かなり楽観的でしたね。
将来必要になるお金を真剣に考えていなかった
20代中盤まで結婚願望もなく、「将来のお金?その時考えればいいじゃん」というスタンス。老後なんて遠すぎる未来で、リアルに想像できていませんでした。
人生設計を考え始めた転機
そんな私に転機が訪れたのは、20代後半のことでした。
結婚・子育てを現実的に考えるようになった
パートナーとの関係が真剣になり、将来の結婚、子育てについて具体的に話し合うようになりました。その時、初めて「将来のお金」について真剣に調べてみたんです。
ITコンサルらしく、データを集めて分析してみると、想像以上に厳しい現実が見えてきました:
- 結婚費用:平均350-400万円
- 子育て費用:一人当たり約2,000万円(教育費含む)
- 老後資金:2,000万円問題
「え、こんなにお金が必要なの?」
今まで将来のお金について真剣に考えたことがなかった私にとって、これは大きなショックでした。そろそろ本気で資産形成を始める時期だと感じたんです。
なぜ企業型確定拠出年金から始めたのか
「よし、資産形成を始めよう!」と思ったものの、何から始めればいいかわからない状態。そんな時にタイミングよく会社で確定拠出年金の制度説明会があったんです。
確定拠出年金を選んだ4つの理由
1. 圧倒的に始めやすかった
会社の制度なので、自分で証券口座を開設したり、入金設定をしたりする必要がありませんでした。面倒な手続きが嫌いな私には、この「簡単さ」が決め手でした。
2. 給与天引きの楽さ
毎月自分で投資額を決めて入金する自信がなかった私にとって、給与からの自動天引きは魅力的でした。「払い忘れ」や「今月は少なくしよう」という甘い誘惑がありません。
3. 60歳まで引き出せない強制力
普通なら「お金が引き出せない」ってデメリットに感じますよね?でも当時の私には、これがメリットでした。途中でやめてしまう可能性を完全に排除できるからです。
4. 節税効果の大きさ
掛金全額が所得控除になるという説明を聞いて、「これって確実にお得じゃん」と思いました。運用益も非課税だし、税制面でのメリットが明確だったんです。
実際の開始金額と心境
最初に設定したのは月1万円でした。
「たった1万円で意味があるの?」と思いながらも、まずは小さく始めてみることに。当時はまだまだ「働いて稼げばいい」という気持ちが強く、他の投資手法なんて全く頭にありませんでした。
確定拠出年金についても「とりあえずやっておくか」程度の温度感。投資の勉強もせず、会社が用意したバランスファンドを適当に選んで放置状態でした。
投資の世界が広がったきっかけ
確定拠出年金を始めてから数か月後、私の投資に対する考えが大きく変わる出来事がありました。
仕事関係者との何気ない会話
仕事関係の知り合いとの飲み会で、たまたま資産形成の話題になったんです。
「NISAやってる?」
「個別株も面白いよ」
「配当収入があると気持ちが違う」
その時初めて、投資にはいろんな方法があることを知りました。そして何より、普通のサラリーマンが当たり前のように投資をしていることに驚いたんです。
知識欲が投資拡大につながった
その会話をきっかけに、初めて投資関連の書籍を読み始めました。読めば読むほど「なんで今まで知らなかったんだろう」という発見ばかり。
ITコンサルという仕事柄なのか、将来必要になるお金を構造化して考えるのが楽しくなってきたのも大きな要因でした。
NISAを活用した段階的な投資拡大の流れ:
- インデックス投資追加(確定拠出年金開始から1年後)
- 個別株投資開始(開始から3年後)
- 配当株投資追加(開始から3年半後)
気づけば当初の何倍もの金額を投資に回すようになっていました。
今振り返って:最初の選択は正しかったのか
今の知識で当時を振り返ると、どう思うでしょうか。
結論:やはり確定拠出年金から始めていた
もし今の知識があったとしても、結局は企業型確定拠出年金から始めていたと思います。
理由:
- 節税効果の大きさは他の投資手法では得られない
- 良くも悪くもお金が引き出せない強制力
(暴落相場でも売れないので、上昇相場を強制的に体験できる) - 投資初心者にとっての心理的ハードルの低さ
ただし、今なら最初からもう少し勉強して商品選択をしていたでしょうね。バランスファンドを適当に選ぶのではなく、自分なりに考えて選択していたはずです。
現在の投資体制(概要)
現在は段階的に構築した投資体制で資産形成を続けています:
- 企業型確定拠出年金
- インデックス投資:老後資金のメイン
- NISA
- インデックス投資:中長期的な資産形成
- 個別株投資:成長株への投資
- 配当株投資:インカムゲイン重視
合計すると、想像もしなかった金額まで投資できるようになりました。
※各投資手法の詳細については、今後個別記事で詳しく解説予定です
これから投資を始める方へのアドバイス
投資初心者だった私から、これから始める方に伝えたい3つのポイントがあります。
1. 完璧を目指さず、まず始める
私も最初は「月1万円で意味があるの?」と思っていました。でも今振り返ると、その1万円が全ての始まりだったんです。
月1,000円からでも投資は始められます。大切なのは金額ではなく「始めること」です。
2. 強制力のある仕組みを活用する
確定拠出年金の「引き出せない」特徴は、実は大きなメリットです。意志の弱い私でも続けられたのは、この強制力があったからだと思います。
3. 段階的に知識を増やす
最初は投資に全く興味がなくても大丈夫。始めれば自然と知識が付いて、投資の世界が広がってきます。
私のように「仕事の方が確実」と思っている方こそ、リスクの少ない確定拠出年金から始めてみてください。
まとめ:企業型確定拠出年金の個人的評価
⭐ ★評価システム
評価項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
始めやすさ | ★★★★★ | 会社の制度なので手続きが圧倒的に簡単 |
節税効果 | ★★★★★ | 掛金全額所得控除は他の投資では得られない |
強制力 | ★★★★★ | 60歳まで引き出せないのは継続の観点でメリット |
柔軟性 | ★★☆☆☆ | 一度決めると変更が難しい、途中解約不可 |
学習効果 | ★★★☆☆ | 放置しがちで投資の勉強にはならない面も |
将来性 | ★★★★☆ | 老後資金形成には最適、制度改正リスクもあり |
総合評価:★★★★☆
投資初心者の最初の一歩として、これ以上ない制度だと実感しています。特に「投資は怖い」「面倒くさい」と思っている方にこそおすすめしたい制度です。
最後に
「投資なんて自分には関係ない」と思っていた私でも、こうして資産形成を続けられるようになりました。
投資額は人それぞれです。大切なのは「今日から始めること」。
まずは企業型確定拠出年金から、小さく始めてみませんか?きっと想像もしなかった世界が広がりますよ。
一緒に資産形成の第一歩を踏み出していきましょう!
※投資には元本割れのリスクがあります。制度の詳細は勤務先の担当部署にご確認ください。
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