「俺、結構頑張ってるのに…」その言葉が、妻を傷つけているかもしれません。
先日、友人からこんな相談を受けました。
「俺、結構育児頑張っていると思うんだけどねぇ。妻はそう思っていないみたい…」
私は即座にこう質問しました。
「仕事が無い日という前提で、もし奥さんが1泊2日で外出したら、全部やれる?」
友人は少し考えてから、こう答えました。
「結構…分からないことがあるかも…」
その瞬間、彼は気づいたんです。自分が「頑張っている」と思っていた育児参加が、妻から見れば「任せられないレベル」だったことに。
Iリモートワークをしながら2歳と0歳の娘を育てる私自身、育休取得時に妻と試行錯誤しながら育児を覚えた経験があります。
今では「妻がいなくても全部できる」と自信を持って言えますが、定期的に自分に問いかける必要性を強く感じています。
この記事では、友人の相談をきっかけに、担当してくれている美容師さんや仕事仲間の女性にも聞いた「妻の本音」と、育児参加度を確認する具体的なチェックリストをご紹介します。
妻が抱える「夫に任せられない不安」の正体
友人の妻が語った本音
友人が家に帰って夫婦で話したところ、妻からこう言われたそうです。
「もし、私が寝込んだ時やどうしても家を空けなくてはいけない時に、子供のことを任せられないという不安が常にある」
この言葉に、友人は大きなショックを受けました。自分では「頑張っている」つもりだったのに、妻は「いざという時に任せられない」と感じていたのです。
他の女性たちからも聞こえてきた同じ声
その後、私の髪を切ってくれている美容師の女性や、仕事で仲の良い女性に話を聞いてみました。すると、多くの人が同じような悩みを抱えていることが分かりました。
【離乳食の事例】
「夫は『ご飯をあげられる』と言っているけど、実際は冷凍している離乳食を解凍してほぐしてから渡さないと食べさせられない。量が分からない、どの組み合わせであげればよいか分からない。そもそも離乳食を作って冷凍するなんてできない」
【お風呂の事例】
「夫は『お風呂は入れられる』というけど、子供を洗うまではやるが、出た後の保湿クリームなどは私がやっているので分からない。私がいなかったら絶対できないと思う」
ネットニュースなどの調査によると、家事・育児における「夫婦間の認識のズレ」を感じたことがある人は6割以上に上ることが明らかになっています。
なぜ「できる」と「任せられる」にギャップが生まれるのか?
「実行」だけでは育児とは言えない
夫が「育児している」と思っているのは、多くの場合「実行」の部分だけです。しかし、育児には「実行」の前後に、妻が担っている「見えない仕事」が大量に存在します。
| 夫が見ている育児 | 妻が見ている育児 |
|---|---|
| ご飯を食べさせる | 献立を考える・食材を買う・調理する・量を調整する・食べさせる・片付ける・栄養バランスを管理する |
| お風呂に入れる | 着替えを準備する・タオルを用意する・お湯の温度確認・洗う・保湿する・髪を乾かす・パジャマを着せる |
| 寝かしつけをする | 部屋を暗くする・寝る時間を守る・絵本を読む・寝かしつける・寝た後も様子を見る |
育児の本質は「マネジメント」です。 夫が「実行」だけを担当し、「判断・準備・段取り」を妻に依存している状態では、妻は「いざという時に任せられない」と感じてしまうのです。
新聞社の調査では、家事育児の分担について、男性の78.3%が「満足」と答えた一方で、女性の52.1%が「不満」と回答しています。この認識のズレが、夫婦関係の悪化につながるケースも少なくありません。
「1泊2日テスト」チェックリスト【妻不在で全てできますか?】
食事・離乳食関連
- 離乳食・食事を作る、または冷凍食材を適切に解凍・調理できる
- 月齢・年齢に応じた適切な量を把握している
- 栄養バランスを考えた組み合わせを判断できる
- 食べさせる際の注意点(アレルギー、固さ、温度)を理解している
- 食後の片付け・食器洗いまで完結できる
お風呂・衛生管理
- お風呂の準備(お湯の温度、着替え、タオル)を一人で整えられる
- 子供を洗う(頭・体・顔)手順と注意点を把握している
- お風呂上がりの保湿クリーム・ケアができる
- 髪を乾かし、パジャマを着せるまで完結できる
- 爪切り・耳掃除などの日常ケアができる
寝かしつけ・睡眠管理
- 寝る時間とルーティンを把握し実行できる
- 寝かしつけの方法(絵本、歌、抱っこなど)を理解している
- 夜泣きや目覚めた時の対応ができる
- 寝室の環境調整(温度、明るさ、音)ができる
オムツ・トイレトレーニング
- オムツ替えのタイミングを判断できる
- オムツの在庫管理と補充ができる
- トイトレ中の場合、適切なサポートができる
- 使用済みオムツの処理方法を理解している
着替え・洗濯管理
- 子供の服がどこにあるか把握している
- 季節・気温に応じた服の選択ができる
- 洗濯から干す・たたむ・収納まで完結できる
- 汚れた服の処理(予洗いなど)ができる
外出・お出かけ準備
- お出かけに必要な持ち物リストを把握している
- 着替え・おやつ・飲み物・オムツなどを適切に準備できる
- 移動手段(ベビーカー、抱っこ紐など)を使いこなせる
- 外出先での授乳・オムツ替えスポットを把握している
体調管理・緊急対応
- 体温の測り方と平熱を把握している
- 常備薬の場所と使用方法を理解している
- かかりつけ医の連絡先・保険証の場所を把握している
- 緊急時の判断基準(病院に行くべきタイミング)を理解している
スケジュール・イベント管理
- 保育園・幼稚園の送迎時間を把握している
- 習い事や予定を確認できる
- 予防接種や健診のスケジュールを把握している
- 持ち物リスト(園からの連絡事項など)を確認できる
私自身の実践例:育休取得とリモートワークで見えたこと
育休で「全て一人でできる」状態に
私は娘が生まれた際に育休を取得し、妻と一緒に試行錯誤しながら育児を覚えました。最初は何も分からない状態でしたが、妻と同じ立場で全ての育児を経験したことで、「妻がいなくても全て対応できる」状態になりました。
リモートワークで日常的に育児参加
現在はリモートワークで働いているため、日中も育児に参加しやすい環境です。離乳食の準備、オムツ替え、寝かしつけなど、日常的に「実行」だけでなく「判断・準備・段取り」まで担当しています。
それでも定期的に自問する理由
それでも私は、半年に1回程度「1泊2日テスト」を自分に問いかける必要があると思っています。なぜなら、子供の成長とともに育児の内容は変化するからです。
- 離乳食から幼児食への移行
- オムツからトイレトレーニングへ
- 寝かしつけ方法の変化
- 新しい習い事やスケジュールの追加
「今はできる」が「これからもできる」とは限りません。 定期的に確認することで、育児スキルをアップデートし続ける必要があるのです。
できない項目があった時の改善ステップ
チェックリストで「できない」項目があっても、責める必要はありません。大切なのは、「これから改善していく」という姿勢です。
ステップ1:妻と一緒に1回やってみる
まずは妻に教えてもらいながら、実際に手を動かしてやってみましょう。見ているだけでは身につきません。
ステップ2:メモを取る
量、場所、手順、注意点などを具体的にメモしておきましょう。記憶だけに頼ると忘れてしまいます。
ステップ3:次回は自分が主導で、妻に見守ってもらう
妻がいる状態で、自分が主導してやってみましょう。間違った場合はその場で修正してもらえます。
ステップ4:1人でやってみる
妻が在宅の休日などに、1人で完結してやってみましょう。「本当にできる」状態になっているか確認できます。
ステップ5:定期的に更新する
子供の成長に応じて育児内容は変わります。半年に1回程度、チェックリストを見直して更新しましょう。
研究データが示す「夫の育児参加」の重要性
医療関係の研究をしている機関の調査によると、夫が育児に参加すると、妻の心理的苦痛を低減できることが、7万組を超える夫婦を対象とした調査で明らかになっています。
また、大学の研究では、夫婦間での育児行動の認識ズレの大きさに関わらず、女性の育児ストレスが高いことが指摘されています。
つまり、夫が「やっている」と思っていても、妻が「任せられない」と感じている限り、妻のストレスは軽減されないのです。
「頑張ってる」の基準は、妻の安心感
妻が求めているのは「安心して任せられる」こと
妻が夫に求めているのは、「いざという時に、安心して子供を任せられる」という信頼感です。
- 「ちょっと美容院に行ってくるね」と気軽に外出できる
- 体調を崩した時に、子供のことを心配せず休める
- 仕事や用事で家を空ける時も、不安を感じない
この安心感があって初めて、妻は「夫は育児を頑張っている」と感じることができるのです。
「1泊2日テスト」を半年に1回自問しよう
定期的に「妻が1泊2日不在でも、全部できるか?」と自分に問いかけてみましょう。
- できない項目があれば、改善のチャンス
- 子供の成長に応じて、育児スキルをアップデート
- 妻との対話を通じて、認識のズレを解消
この自問自答が、夫婦の信頼関係を深め、妻の安心感につながります。
まとめ:育児の「本当の参加」とは
「実行」だけでなく「マネジメント」まで担う
育児の本質は、判断・準備・段取り・実行・フォローの全てを担うことです。「実行」だけでは、妻の負担は減りません。
「1泊2日テスト」で自分の育児参加度を確認しよう
今すぐ、この記事のチェックリストを使って、自分の育児参加度を確認してみてください。できない項目があっても大丈夫。改善していくことが大切です。
妻との対話を通じて、認識のズレを解消しよう
妻と一緒にチェックリストを見ながら、「今、自分ができていること・できていないこと」を話し合ってみましょう。その対話が、夫婦の信頼関係を深める第一歩になります。
一緒に、妻が安心できる育児参加を目指していきましょう!

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