学資保険に400万円以上支払って、たった32万円しか増えない現実を知っていますか?
投資歴8年の私でも、娘たちが生まれた瞬間「子どもが生まれたら学資保険」という常識に一瞬惑わされました。長年インデックス投資を続けてきた経験があるにも関わらず、「子どもの教育資金は別物」という固定観念が頭をよぎったのです。
ITコンサルとして年間いくつものプロジェクトに関わる中で、数値分析の重要性を痛感している私が、2歳と0歳の娘たちの教育資金準備について「投資経験者の視点」で徹底的に比較検討した結果をお伝えします。
この記事は、投資シリーズの一環として、実際に学資保険と投資信託を比較検討し、最終的に投資信託を選択した実体験をもとに執筆しています。
この記事で分かること
こんな人におすすめ
- 投資経験者だが教育資金準備に迷っている方
- 学資保険か投資信託かで迷っている方
- 教育資金の準備方法を具体的に知りたい方
- 数値に基づいた判断をしたい方
- 2025年最新の情報を求めている方
【実体験】なぜ学資保険ではなく投資信託を選んだのか
投資経験者でも迷った「教育資金は特別」という思い込み
長女が生まれた直後、妻の友人から「学資保険は絶対入った方がいい」と勧められました。投資歴8年で確定拠出年金や新NISAで資産形成を続けてきた私でしたが、「子どもの教育資金は投資と別物」という漠然とした思い込みがありました。
「投資は自分の老後資金だから良いけれど、子どもの教育資金でリスクを取るのは…」 「やっぱり学資保険の方が『教育資金』には向いているのかも?」
そんな迷いから、某大手保険会社の営業担当者と面談することになりました。
そして次女が生まれたタイミングで、改めて2人分の教育資金準備について本格的に検討を始めました。
投資経験者だからこそ気づいた違和感
提案された内容(2人分):
- 月額保険料: 30,000円(長女15,000円・次女15,000円)
- 払込期間: 各18年間(総額648万円)
- 満期受取額: 700万円(各350万円)
- 返戻率: 108.0%
営業担当者は「18年間で108%なので確実に増えます」と説明しましたが、投資経験8年の私には即座に違和感がありました。
「あれ、これって年利に直すと…0.4%?」
コンサルとして数値分析に慣れている私は、すぐに年利換算を計算しました。そして、これまで新NISAで年平均6%程度のリターンを期待して投資してきた経験と比較して、大きな疑問が生まれました。
「なぜ教育資金だけ、こんなに効率の悪い方法を選ぶ必要があるのだろう?」
徹底的な比較検討を開始
そこから約2ヶ月間かけて以下の観点で比較検討を行いました:
- 実質的な利回り比較
- リスク要因の分析
- 流動性(途中での資金調達可能性)
- 税制面のメリット
- インフレリスク対応
- 2人分の教育費負担への対応
この検討結果が、最終的に投資信託を選択する決定的な理由となりました。
学資保険の現状(2025年)|返戻率と4つの大きな問題点
2025年現在の学資保険の実態
2025年9月現在、主要な学資保険の返戻率は以下の通りです:
保険会社 | 商品名 | 最高返戻率 | 年利換算 |
---|---|---|---|
ソニー生命 | 学資保険(無配当) | 121.5% | 約1.1% |
明治安田生命 | つみたて学資 | 127.4% | 約1.4% |
フコク生命 | みらいのつばさ | 109.0% | 約0.5% |
※最高返戻率は最良条件(一括払い・早期払込完了等)での数値
しかし、一般的な月払い契約では返戻率103〜105%程度(年利0.3〜0.5%)が現実的な水準です。
学資保険の4つの重大な問題点
問題点①:元本は安全ではない
多くの人が「保険だから元本安全」と思い込んでいますが、これは間違いです。
保険会社倒産の現実:
- 1997年から2008年にかけて8社が倒産
- 倒産した場合、返戻金は減額される可能性が高い
- 銀行預金のような1,000万円までの預金保険制度は適用されない
18年間という長期間で考えると、この倒産リスクは無視できません。
問題点②:途中解約による元本割れリスク
生命保険の解約率は約10%と言われており、学資保険も例外ではありません。
途中解約のリスク:
- 契約から数年以内の解約は大幅な元本割れ
- 家計状況の変化で解約せざるを得ない状況
- 18年間の資金拘束による流動性の低さ
特に2人分の教育費を抱える我が家では、途中で資金が必要になるリスクが高いと判断しました。
問題点③:満期時の元本割れリスク
契約内容や保険会社の運用状況によっては、満期時でも元本を下回る可能性があります。
問題点④:利回りが極端に低い
最も重要な問題がこれです。
他の運用方法との比較:
- 普通預金: 0.001%〜0.2%
- 定期預金: 0.002%〜0.35%
- 学資保険: 0.3%〜0.5%(一般的なケース)
- インデックス投資: 年平均6%(過去実績)
投資歴8年の実感として、学資保険は預金よりはマシですが、長期投資と比較すると圧倒的に低い利回りです。
投資信託 vs 学資保険|18年間運用の衝撃的な差額
2人分の教育資金での具体的な数値比較
同じ条件で18年間積み立てた場合の比較をしてみましょう。
前提条件:
- 月額積立金: 30,000円(2人分)
- 積立期間: 18年間
- 総投資額: 648万円
学資保険の場合
- 総支払額: 648万円
- 満期受取額: 680万円(返戻率105%想定)
- 増加額: 32万円
- 年利: 約0.3%
投資信託(年6%運用)の場合
- 総投資額: 648万円
- 18年後評価額: 約1,092万円
- 増加額: 444万円
- 年利: 6%
差額は驚愕の412万円!
この差額は、娘たちの大学4年間の学費に匹敵する金額です。
なぜ年6%で計算するのか
「年6%なんて現実的ではない」と思う方もいるかもしれませんが、投資歴8年の実体験から根拠があります。
先進国株式インデックスの長期実績:
- 過去20年間の年平均リターン: 約6〜7%
- 過去30年間の年平均リターン: 約8〜9%
- 世界経済の成長に連動した現実的な数値
もちろん短期的な変動はありますが、私自身も8年間で平均的にこの水準のリターンを実感しており、18年という長期間で見ると十分現実的な数値です。
より保守的なケース(年3%運用)
仮に保守的に年3%で運用した場合でも:
- 18年後評価額: 約854万円
- 増加額: 206万円
学資保険の32万円と比較しても、174万円の差が生まれます。
新NISA活用術|教育資金準備の新常識
2024年から始まった新NISA制度
学資保険に代わる教育資金準備の最適解が新NISA制度です。
新NISA制度の概要:
- 年間投資枠: つみたて投資枠120万円
- 非課税保有限度額: 1,800万円
- 非課税期間: 無期限
- 対象商品: 長期・積立・分散投資に適した投資信託
教育資金準備における新NISA活用のメリット
メリット①:税制優遇
運用益に対して通常20.315%の税金がかかりますが、NISA口座なら完全非課税です。
具体例: 運用益444万円に対して通常約90万円の税金がかかるところ、NISAなら0円。
メリット②:流動性の高さ
いつでも売却可能で、資金が必要になった時に柔軟に対応できます。
メリット③:インフレ対応
株式投資はインフレに強く、長期的な購買力の維持が期待できます。
我が家の実践方法
8年間の投資経験を活かし、実際に我が家で行っている教育資金準備方法をご紹介します。
月額30,000円の投資信託積立:
- 商品: 全世界株式インデックスファンド(既存投資と同じ商品)
- 口座: 新NISA つみたて投資枠(夫婦それぞれ)
- 積立方法: 毎月自動積立
- 目標: 18年後に1,000万円以上
商品選択の理由:
- 信託報酬0.1%台の低コスト
- 全世界分散でリスク軽減
- 長期実績のあるインデックス運用
- 既存ポートフォリオとの一貫性
夫婦での分散投資:
- 夫のNISA口座: 月20,000円
- 妻のNISA口座: 月10,000円
- リスク分散と税制メリット最大化
リスクを正直に比較|学資保険と投資信託それぞれの注意点
投資信託のリスク
投資歴8年の経験から正直にお伝えすると、投資信託にもリスクがあります。
価格変動リスク
- 短期的な変動: 1年で±20%程度の変動は珍しくない
- 一時的な損失: 積立途中で評価額がマイナスになる可能性
- 心理的負担: 相場下落時のストレス
実体験として、コロナショック(2020年)や地政学リスク(2022年)で一時的に大きく下落した経験もあります。
我が家のリスク対応策
8年間の投資経験から学んだ対処法:
- 長期投資の徹底: 18年間は絶対に売却しない
- 定期的な積立: ドルコスト平均法でリスク軽減
- 分散投資: 全世界株式で地域・業種を分散
- 情報収集: 相場の基本知識を身につける
- 夫婦での投資方針共有: 下落時も冷静に対応
- 既存投資との連動: 総合的なポートフォリオ管理
学資保険のリスク(再確認)
低収益リスク
- 機会損失: より良い運用機会を逃すリスク
- インフレリスク: 物価上昇に対応できない
- 金利上昇リスク: 将来的に定期預金より低利回りになる可能性
流動性リスク
- 途中解約損: 急な資金需要に対応できない
- 資金拘束: 18年間の長期拘束
- 2人分の負担: 月3万円の固定支出による家計圧迫
リスク比較の結論
短期的には投資信託の方がリスクが高いが、長期的には学資保険の方がリスクが高いというのが8年間の投資経験を踏まえた私の判断です。
特に2人の娘の教育費を考えると、機会損失のリスクは看過できません。
2児パパが実践する教育資金戦略|具体的な運用方法
実践している具体的手法
投資商品の選定
メイン商品: eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 信託報酬: 0.05775%(業界最安水準)
- 投資対象: 全世界の株式市場
- 純資産総額: 3兆円超(安定性抜群)
- 選択理由: 既存の老後資金投資と同じ商品で管理を統一
積立設定
積立日: 毎月月末
積立金額: 30,000円(夫20,000円・妻10,000円)
口座: SBI証券 新NISA口座(夫婦それぞれ)
設定方法: 完全自動化
メンタル管理
8年間の投資経験で学んだ、相場の変動に動じないメンタル管理が重要です。
我が家のルール:
- 毎日の株価チェックはしない(数か月に1回のみ確認)
- 下落時も積立継続(むしろ安く買えるチャンス)
- 18年間は絶対売却しない(目的を明確化)
- 夫婦で投資方針を共有(合意形成が重要)
- 娘たちの未来を常に意識(目標の明確化)
- 既存投資との整合性維持(総合的な資産管理)
娘たちへの金融教育も視野に
8年間の投資経験を活かし、将来的にはこの投資体験を娘たちの金融教育にも活用したいと考えています。
18歳時の予定:
- 投資の成果を一緒に確認
- お金の基本的な仕組みを説明
- 複利の力について実体験で学習
- 女性の経済的自立について考える
- 長期投資の価値を実体験で伝える
★総合評価
投資信託による教育資金準備について、6項目で評価いたします。
評価項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
収益性 | ★★★★★ | 学資保険を圧倒する期待リターン。2人分なら差額は400万円超 |
税制メリット | ★★★★★ | 新NISA活用で運用益完全非課税。夫婦で投資枠を最大活用 |
流動性 | ★★★★☆ | いつでも売却可能。2人の娘の急な資金需要に対応 |
リスク管理 | ★★★★☆ | 8年の投資経験でリスク管理手法を確立済み |
手軽さ | ★★★★☆ | 初期設定後は完全自動。既存投資との管理統一で効率的 |
将来性 | ★★★★★ | インフレ対応可能。娘たちの未来への最適投資 |
総合評価: ★★★★☆(4.5/5.0)
投資経験8年の視点から評価すると、短期的な価格変動リスクは管理可能であり、長期的な教育資金準備としては学資保険を大幅に上回る選択肢と評価します。
まとめ:娘たちの未来への最適な投資とは
この検討で得た最大の価値
学資保険と投資信託を徹底比較した結果、投資経験者でも「教育資金は特別」という固定観念に惑わされることがあると実感しました。しかし、数値に基づいた合理的な判断により、娘たちの教育資金準備により良い選択ができます。
8年間の投資経験があっても、子育てという新しい局面では改めて学ぶことが多いというのが正直な感想です。
2児パパとしての体験総括
投資信託による教育資金準備を始めて約1年半、既存の投資経験が大いに活かされていると感じています。毎月の積立が習慣化し、長期的な資産形成への理解も深まりました。何より、この体験が将来の娘たちの金融教育にも活かせることが大きな副次効果です。
投資歴8年の経験により、相場変動に対する心理的な耐性も十分に身についており、教育資金という重要な目的でも安心して長期投資を継続できています。
この方法は特に複数の子どもを持つ子育て世代、そして投資経験者だが教育資金準備に迷っている方におすすめします。教育費負担が重い分、効率的な資産形成がより重要になるからです。
一緒に子供たちの未来への最適な投資を実現していきましょう!
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