「また新しいモニターを買うの?もう十分じゃない?」
2年前、4台目のモニターとしてBenQ MOBIUZ EX3415Rの購入を検討していた時、家族からそう言われました。確かに、リモートワーク開始時はノートパソコン1台だけだったのに、気がつけば4枚のモニターに囲まれている状況。でも今振り返ると、この4枚目こそが私の作業環境を完成形に導いた決定打だったのです。
コンサルタントとして複数プロジェクトを並行して進める中で、「また画面が足りない」「もう少し横幅があれば」と感じ続けてきたリモートワーク7年目。そんな試行錯誤の末にたどり着いた、4枚モニター構成とメインディスプレイとしてのEX3415Rの真価をお伝えします。
これはガジェット・ツールシリーズの一環として、実際の業務で検証済みの生産性向上ツールをご紹介する記事です。
BenQ MOBIUZ EX3415R 基本情報
製品概要

項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | BenQ MOBIUZ EX3415R |
画面サイズ | 34インチ |
解像度 | 3440×1440(UWQHD) |
パネル | VA曲面パネル(1000R) |
リフレッシュレート | 144Hz |
応答速度 | 1ms(MPRT) |
接続端子 | USB-C、HDMI×2、DisplayPort |
価格帯 | 約8-10万円(2025年現在) |
こんな人におすすめ
- 横長のExcelやスプレッドシートを頻繁に扱う方:列数の多いデータも一覧性抜群
- 2つのアプリケーションを常に並べて作業する方:画面分割での快適な作業環境
- マルチモニター環境を検討している方:省スペースで大画面を実現
- 在宅ワーク・リモートワーク従事者:限られたデスクスペースでの効率化
リモートワーク7年間のモニター遍歴
段階的に拡張してきた作業環境
リモートワークを続けていく中で、作業効率を追求するあまり、気がつけばモニターがどんどん増えてしまいました。その軌跡を振り返ります:
第1段階:ノートパソコン + 27インチ4Kモニター1枚
- 2018年リモートワーク開始時
- デュアルディスプレイでの基本的な作業環境
- 画面切替の頻度に限界を感じ始める
第2段階:ノートパソコン + 27インチ4Kモニター2枚
- 情報収集用として2枚目を追加
- トリプルディスプレイ環境の構築
- ノートパソコン画面の首への負担が問題に
第3段階:31.5インチ4Kモニター + 27インチ4Kモニター2枚
- ノートパソコン画面を使用停止
- 外部ディスプレイのみでの作業に移行
- メイン画面の大型化で作業効率向上
第4段階(現在):EX3415R + 31.5インチ4K + 27インチ4K×2
- 同僚からウルトラワイドモニターの活用話を聞いて導入
- 4枚構成での理想的な作業環境が完成
- EX3415Rをメインディスプレイとして活用
現在のモニター配置と役割分担
戦略的な4枚モニター構成
[31.5インチ4K] [EX3415R(メイン)] [27インチ4K(上)]
[27インチ4K(下)]
中央エリア(メイン作業空間)
EX3415R – 主作業領域
- Excel、PowerPoint等のメインアプリケーション
- 横長データの一覧表示に最適
- 2つのウィンドウを並べた分割作業
31.5インチ4K – 大画面での全体確認・プレビュー用
- 完成した資料の全体確認
- プレゼン時のプレビュー画面
- 大きな図表やドキュメントの詳細確認
右サイドエリア(情報収集・連絡管理)
27インチ4K(上)- Teams、Slack、メールなどの連絡ツール表示
- Teams、Slack、Outlookを常時表示
- 連絡が来たら目を向けるだけで内容確認可能
- 使用頻度としては低めだが、即座の対応に便利
- 重要な通知を見逃さない安心感を提供
27インチ4K(下)- ブラウザ、参考資料表示
- Web検索結果や参考サイトの表示
- 調査資料やマニュアルの参照用
- 作業中に必要な情報の常時表示エリア
2年間使用したEX3415Rの実力
ウルトラワイドモニターとしての優位性
横長Excelでの圧倒的な視認性
従来の16:9モニターでは、列数の多いExcelファイルで頻繁な横スクロールが必要でした。EX3415Rの21:9比率なら、A列からAA列(27列)までを一度に表示可能。データ分析業務での効率化は想像以上でした。
具体的には:
- 月次売上データの全項目同時表示
- 予算vs実績の比較分析が一画面で完結
- 横スクロールによる見落としリスクの大幅軽減
2ウィンドウ並行作業の快適性
ウルトラワイド画面の真価は、2つのアプリケーションを快適に並べられることにあります。
実用例1:資料作成時
- 左:参考資料(PDF、Webページ)
- 右:PowerPoint作業画面
- 従来のような画面サイズ調整が不要
実用例2:データ分析時
- 左:元データ(Excel)
- 右:分析結果・グラフ作成画面
- リアルタイムでの数値確認と可視化
実用例3:メール対応時
- 左:受信メール確認
- 右:返信メール作成
- 参照しながらの正確な回答作成
4枚モニター構成での連携効果
連絡ツール常時表示のメリット
右上の27インチ4K(上)にTeams、Slack、メールを常時表示することで、作業中断を最小限に抑えながら即座の対応が可能になりました。
従来の課題
- 通知音に気づかず重要な連絡を見逃す
- 連絡確認のためメイン作業を中断
- アプリ切替による集中力の分散
現在の解決策
- 視界の端で通知を即座に認識
- 緊急度を瞬時に判断して対応優先度を決定
- メイン作業の集中を維持したまま連絡管理
使用頻度としては確かに低めですが、**「見逃さない安心感」と「即座の判断力」**という点で、業務品質の向上に大きく寄与しています。
参考資料の効率的活用
右下の27インチ4K(下)でのブラウザ・参考資料表示により、調査と作業の同時進行がスムーズになりました。
- 市場調査データを参照しながらの企画書作成
- 技術仕様を確認しながらの提案資料作成
- 競合分析結果を見ながらの戦略立案
リモコン操作の実用価値
手元での簡単操作

EX3415R付属のリモコンは、想像以上に実用的でした。
音量調整
- Web会議中の即座な音量コントロール
- 動画視聴時の細かな音量設定
- 深夜作業時の静音切替
表示切替
- 複数PC接続時の画面切替
- 入力ソースの瞬間切替
- 設定変更なしでの機器切替
特に複数のPCを同時使用している環境では、机から離れることなくリモコンで画面切替できるメリットは大きく、業務効率の向上に直結しています。
長期使用で判明した優れた点
1. 目の疲労軽減効果(★★★★★)
曲面パネル(1000R)による恩恵
- 画面端まで均等な視距離を維持
- 2年間の長時間使用でも眼精疲労の軽減を実感
- 平面モニター使用時比較で、終業時の目の疲れが明確に減少
2. 作業の没入感向上(★★★★★)
ゲーミングモニターならではの集中環境
- 周辺視野を覆う横幅による集中力アップ
- 作業開始から深い集中状態への移行時間短縮
- 外部雑音への注意散漫度合いの軽減
3. マルチウィンドウ効率性(★★★★★)
3440×1440解像度の活用価値
- 4つのウィンドウを実用的なサイズで同時表示
- ウィンドウサイズ調整作業の大幅削減
- Alt+Tab使用頻度の劇的な減少
気になった点・改善要望
1. 初期設定の複雑さ(★★☆☆☆)
多機能ゆえの設定項目多数
- ゲーミング機能関連の設定が業務用途では不要
- 色温度や明度の最適化に時間を要する
- OSDメニューの階層が深く、目的の設定にたどり着きにくい
2. スタンド調整範囲の制限(★★☆☆☆)
高さ・角度調整の限界
- 理想的な視線角度への調整幅が不足
- デスクの高さによっては首への負担増加
- モニターアーム導入の検討が必要な場合がある
他社製品との比較検討
同価格帯競合機種との違い
Dell UltraSharp U3423WE
- ビジネス用途特化、色精度重視
- EX3415R:ゲーミング仕様による高リフレッシュレート
LG 34WP65C-B
- 平面パネル、価格優位性
- EX3415R:曲面パネルによる没入感、リモコン付属
ASUS ProArt Display PA348CGV
- プロ用途向け、厳密な色管理
- EX3415R:リモコン操作、ゲーミング機能による使い勝手
選択の決め手
- 曲面パネルによる視線負担軽減
- リモコン操作の利便性
- ゲーミング仕様の安定性・耐久性
- 複数入力対応での柔軟性
★総合評価
評価項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
画質・表示性能 | ★★★★☆ | VA曲面パネルの没入感は抜群。ゲーミング向けの鮮やかな発色で業務用途でも十分な品質 |
作業効率性 | ★★★★★ | ウルトラワイド画面でのExcel作業、2ウィンドウ並行作業の効率は期待以上。横長データの視認性が格段に向上 |
操作性・使い勝手 | ★★★★★ | リモコン操作による音量・画面切替の利便性は想像以上。複数PC環境では特に威力を発揮 |
設定・カスタマイズ | ★★☆☆☆ | 多機能ゆえに設定項目が多く、業務用途に最適化するまで時間を要する。OSDメニューも複雑 |
コストパフォーマンス | ★★★☆☆ | 8-10万円の価格帯では標準的。リモコンや曲面パネルなどの付加価値を評価するかで判断が分かれる |
耐久性・長期使用 | ★★★★★ | 2年間のヘビーユースでも不具合なし。ゲーミング仕様の堅牢性が業務用途でも活かされている |
総合評価:★★★★☆(4.0/5.0)
4枚モニター構成でのメインディスプレイとして、期待を上回る性能を発揮。特にExcel作業が多い業務環境では投資対効果を強く実感できます。
まとめ|リモートワーク7年間で完成した理想環境
この製品の最大の価値
BenQ MOBIUZ EX3415Rの真価は、横長画面による情報統合表示にあります。従来の16:9画面では実現できない、「横スクロールなしでのデータ全体把握」と「2アプリケーション並行表示での作業効率化」により、デスクワークの根本的な改善を実現します。
2年間・4枚目モニターとしての実績
リモートワーク開始時にはノートパソコン1台だけだった環境が、7年間で4枚モニター構成に発展。その集大成となるメインディスプレイとして導入したEX3415Rは、「もうこれ以上は必要ない」と思える完成形をもたらしました。
特に印象的だったのは、横長のExcelデータを扱う際の劇的な効率改善。月次分析レポートの作成時間が従来比40%短縮され、データの見落としによるミスも大幅に減少しています。
4枚モニター構成の中で、各画面の役割分担も理想的に機能。「メイン作業→全体確認→連絡管理→情報収集」の業務フローが、視線移動と最小限の操作だけで完結する環境を実現できています。
強く推奨する方:
- Excelでの横長データ分析が多い方
- 2つのアプリケーションを常に並べて使用する方
- リモートワーク環境での生産性向上を重視する方
- 連絡ツールの確認頻度が高く、見逃しリスクを軽減したい方
作業環境をさらに充実させたい方は、REALFORCE R3キーボードやMX ERGO トラックボールとの組み合わせも検討してみてください。総合的な入力環境の改善で、さらなる効率化を図れるはずです。
一緒に理想的なリモートワーク環境を構築していきましょう!
コメント