「投資?そんなことに時間を使うなら、仕事で成果を出す方がよっぽど確実でしょ!」
8年前の私は、投資に対してこんな偏見を持っていました。しかし今では確定拠出年金と新NISAで毎月27万円を投資し、投資が生活の一部として自然に溶け込んでいます。
現在、ITコンサルとして企業の課題解決に携わりながら、投資歴8年の実体験を振り返ってみると、運用実績以上に価値のある「数字では表せない変化」がたくさんありました。
今回は「CXコンサルの生活改善術」ブログの投資シリーズとして、月1万円から始めた投資が8年でどう変化したか、つみたてNISAから新NISAへの制度移行も含めて、率直な体験をお伝えします。
8年前の私と投資に対する先入観
投資を避けていた3つの理由
働いて稼ぐ方が確実だと信じていた
「投資で年利5%?それなら残業や副業、スキルアップで確実に収入を上げる方が早いでしょ」という考えでした。ITコンサルとして目の前のプロジェクトに全力投球すれば、昇進や昇給で収入は自然と上がると思っていたんです。
「ギャンブル」というイメージが強かった
株式投資 = デイトレード = ギャンブルという認識でした。チャートを見続けて一喜一憂する生活なんて、絶対に自分には無理だと思っていました。
知識がないことへの不安
「投資って専門知識が必要でしょ?」「騙されたらどうしよう」という漠然とした不安がありました。金融の知識が全くない自分には縁のない世界だと感じていたんです。
転機:企業型確定拠出年金との出会い
そんな私が投資を始めたきっかけは、投資デビュー体験談で詳しくお伝えした通り、会社の企業型確定拠出年金制度でした。
なぜ始められたのか:
- 会社の制度なので手続きが簡単
- 給与天引きで「忘れる」ことができる
- 60歳まで引き出せない強制力
- 節税効果が明確
「とりあえず月1万円だけやってみるか」
この軽い気持ちが、8年間の投資人生の始まりでした。
投資額の変遷と収入増加の背景
8年間の投資額変遷
- 開始時(8年前): 確定拠出年金 月1万円
- 1年後: 確定拠出年金3万円 + つみたてNISA3.3万円 = 月6.3万円
- 現在: 確定拠出年金 + 新NISA = 月27万円
月27万円の背景説明
「27万円って現実離れしてない?」と思われるかもしれません。でも、これは決して最初から目指していた金額ではありません。
収入増加の背景: この投資額拡大の背景には、8年間での戦略的な収入増加があります。具体的な方法については以下の記事で詳しく解説しています:
段階的な成長プロセス:
- スキルアップによる市場価値向上
- 転職エージェント活用による年収交渉
- 副業での収入増加
- 投資余力の段階的な拡大
重要なポイント: 大切なのは金額ではなく、自分のペースで無理なく続けることです。月1,000円からでも投資は始められますし、その価値は十分にあります。
8年間で最も変わったこと(心境編)
1. お金に対する不安の「質」が変わった
Before(8年前):考えること自体を避けていた
- 将来のお金は将来考えれば良いと思っていた
- 資産形成は不要と思っていた
- そもそも資産形成とは何をすればいいか分からない状態
After(現在):具体的で建設的な思考
- 「○年後に○○が必要だから、今から△△しておこう」
- 数値に基づいた計画的な思考
- お金について考えることが習慣になった
2. 「投資している」という意識の薄れ
これは良い意味での変化です。最初は「今日の相場はどうだろう」「含み益が増えた・減った」と一喜一憂していました。
でも今では、投資は歯磨きや食事と同じように「当たり前の習慣」になりました。毎月自動で積み立てられているのを確認するだけで、日常的に相場を気にすることはほとんどありません。
3. 将来への向き合い方の変化
Before:「その時になったら考える」
- 老後?まだ先のこと
- 結婚?子育て?具体的に想像できない
- 将来の計画なんて無意味
After:「逆算思考」が身についた
- 60歳時点での目標金額から逆算
- ライフイベントを想定した資金計画
- 「今の行動」が「未来の選択肢」を決める
投資を通じて、未来を具体的にイメージする習慣が身につきました。
予想外だった3つの変化
1. 投資以外の判断力が向上した
投資で培った「リスクとリターンを天秤にかける思考」が、仕事や日常生活にも活かされるようになりました。
具体例:
- 転職判断:給与だけでなく成長機会、将来性を総合評価
- 家電購入:初期費用vs維持費vs機会費用を計算
- 時間投資:スキルアップにかける時間のROI(投資収益率)を意識
2. 情報収集・分析スキルが大幅向上
投資を始めてから、経済ニュースや企業情報を読む習慣がつきました。これがITコンサルとしての仕事にも大きくプラスになっています。
身についたスキル:
- 財務諸表の基本的な読み方
- 業界動向の分析力
- 数値データの解釈能力
- 情報の信頼性を見極める力
3. 家計管理への波及効果
投資を始めると、自然と「投資に回せるお金」を確保したくなります。結果として、家計全体の見直しが進みました。
具体的な変化:
- 固定費の見直し(携帯、保険、サブスク)
- 「浪費」と「投資」の区別が明確に
- 「今使う」vs「将来のために投資する」のバランス感覚
投資が家計管理のきっかけになり、結果として生活全体の最適化が進みました。
制度変更を実際に体験して(つみたてNISA→新NISA)
移行時の心境
2024年の新NISA制度開始時、実は少し不安でした。
不安だったポイント:
- 手続きが複雑なのでは?
- 既存の積立は継続される?
- 投資戦略を変更すべき?
実際の手続きの感想
結果的には、想像以上にスムーズでした。
実際の体験:
- 証券会社が自動的に移行処理
- 特別な手続きは基本的に不要
- 既存の積立設定もそのまま継続
制度が変わっても、「コツコツ積立投資」という基本戦略は変わりませんでした。
新NISA移行で感じたメリット
1. 投資枠の大幅拡大
- つみたてNISA:年40万円 → 新NISA:年360万円
- 長期的な資産形成の可能性が大幅拡大
2. 制度の恒久化による安心感
- 「いつまで続くか分からない」という不安が解消
- 長期投資戦略を立てやすくなった
3. 柔軟性の向上
- 成長投資枠とつみたて投資枠の併用可能
- ライフステージに応じた戦略調整がしやすい
8年間で学んだ「続けるコツ」
1. 完璧を求めすぎない
失敗例:最適なタイミングを探し続ける 「今は相場が高いから、下がったら始めよう」 「もっと良い商品があるかもしれない」
このような完璧主義は、結果として「何もしない期間」を長くするだけでした。
学んだこと:「まあまあ」で十分
- 最適解を求めるより、継続することが重要
- 「今月は3万円しか投資できなかった」でも十分価値がある
- 完璧なタイミングは存在しない
2. 市場の変動との付き合い方
8年間で経験した出来事:
- コロナショック(2020年)
- 米国インフレ懸念(2022年)
- 地政学リスク(ロシア・ウクライナ情勢)
学んだ対処法:
- 短期的な変動は「ノイズ」として割り切る
- 下落時こそ「安く買える機会」と捉える
- 投資額を無理に調整せず、一定額を継続
3. 生活の中での優先順位の明確化
重要な気づき:投資は「目的」ではなく「手段」
投資自体が目的になってしまうと、生活の質を犠牲にしてまで投資額を増やそうとしてしまいます。
私の優先順位:
- 健康的な生活の維持
- 家族との時間の確保
- 仕事でのパフォーマンス向上
- その上での資産形成
投資は人生を豊かにするための手段であって、投資のために人生があるわけではありません。
これから投資を始める方へ(8年目の視点から)
今だから言える「最初に知っておきたかったこと」
1. 「勉強してから始める」は罠 私も最初は「もっと勉強してから」と思っていました。でも8年経った今思うのは、実践しながら学ぶ方が効率的だということです。
2. 金額より継続が重要 月1,000円でも、月10万円でも、継続することの価値は変わりません。自分のペースで無理なく続けることが一番大切です。
3. 短期的な成果を期待しない 投資の真価は5年、10年という長期で発揮されます。1年や2年で判断するのは早すぎます。
8年間の経験を踏まえたアドバイス
段階的なアプローチをおすすめします:
ステップ1(最初の1年):習慣化に集中
- 少額からスタート(月1万円でも十分)
- 自動積立の設定
- 相場を見すぎない
ステップ2(2-3年目):知識の蓄積
- 投資関連書籍を読む
- 経済ニュースに関心を持つ
- 投資額の段階的な拡大を検討
ステップ3(4年目以降):戦略の最適化
- 自分なりの投資哲学の確立
- ライフプランとの整合性確認
- 必要に応じた戦略調整
よくある質問への回答
Q: どの証券会社を選べばいい? A: 手数料の安さとUIの使いやすさで選んでください。私はSBI証券を使っていますが、楽天証券でもマネックス証券でも大きな差はありません。
Q: 何に投資すればいい? A: 最初は全世界株式インデックスファンド1本で十分です。複雑にする必要はありません。
Q: いくらから始めればいい? A: 家計に無理のない範囲で。月1,000円からでも始められます。
★総合評価
8年間の投資体験を6項目で評価します:
評価項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
継続しやすさ | ★★★★★ | 一度習慣化すれば、ほぼ意識せずに継続可能 |
心理的な安心感 | ★★★★★ | 将来への不安が大幅に軽減された |
学習効果 | ★★★★☆ | 投資以外の分野でも判断力が向上 |
生活への影響 | ★★★★☆ | 家計管理や情報収集力が大幅に向上 |
ストレス度 | ★★☆☆☆ | 初期は多少のストレスあり、慣れれば問題なし |
総合満足度 | ★★★★★ | 8年前の自分に「絶対に始めろ」と言いたい |
総合評価: ★★★★☆(4.2/5.0)
運用実績以上に、人生の質が向上したというのが率直な感想です。特に「未来を具体的に考える習慣」と「リスクを冷静に判断する力」は、投資以外の場面でも大きな価値を発揮しています。
まとめ
この8年間の投資体験の最大の価値
8年間の投資体験で得た最大の価値は、「お金に対する主体性」だと思います。以前は「将来のお金について考えていない」という状態でしたが、今は「具体的な計画に基づいて行動している」という安心感があります。
個人的な体験総括
月1万円から始まった投資が、今では月27万円まで拡大しました。でも重要なのは金額ではなく、投資を通じて得られた考え方や習慣の変化です。
特に印象深いのは:
- 将来を逆算して考える思考力の向上
- リスクとリターンをバランス良く判断する力
- 情報を収集・分析するスキルの向上
- 家計全体を最適化する意識の獲得
これらは投資以外の人生の場面でも、大きな価値を発揮し続けています。
推奨対象と次のステップ
この体験談は、特に以下のような方におすすめします:
✅ こんな方におすすめ
- 投資に興味はあるが、まだ始められずにいる方
- 投資を始めたばかりで、継続に不安を感じている方
- 長期投資の実際の体験談を知りたい方
- 投資の心境変化について知りたい方
投資は決して特別なことではありません。適切な知識と継続する意志があれば、誰でも始められる身近な行動です。
一緒に長期的な視点で、着実な資産形成を進めていきましょう!
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