「自分はわりとフラットに人を見られているはず」と思っている人ほど、実は一度読んでおく価値がある本かもしれません。
以前の私は、アンコンシャスバイアスという言葉自体は知っていても、どちらかというと“組織論”や“人事の話”として捉えていました。ですが、日々の判断や会話の中にこそ無意識の思い込みは入り込みやすいのだと、改めて意識させられました。
仕事ではさまざまな立場の人と関わりますし、家庭では子育て、個人では学び直しや読書もあります。そうした複数の役割を持ちながら過ごす中で、「自分の当たり前をそのまま相手にも当てはめないこと」の大切さは、ますます大きくなっていると感じます。
今回は、以前に書いたアンコンシャスバイアスとは|職場で気づいて軽減する方法の流れで、関連書籍として『「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない』をご紹介します。概念を知るだけでなく、日々の判断に落とし込むきっかけとして、面白く読めた1冊でした。
『「アンコンシャス・バイアス」マネジメント』の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない |
| 著者 | 守屋智敬 |
| 出版社 | かんき出版 |
| 発売日 | 2019年5月24日 |
| 価格 | 1,650円(税込) |
| ページ数 | 192ページ |
| 判型 | 46判 |
| 読書手段 | 紙書籍 / Kindle版 |
| 位置づけ | アンコンシャスバイアスを実務目線で理解するためのビジネス書 |
本書は、アンコンシャスバイアスを「無意識の偏見」「無意識の思い込み」「無意識の偏ったものの見方」と整理し、リーダーや組織にどのような影響を与えるかを、具体例ベースで解説している本です。性別、社歴、家庭事情、過去の評価などをもとに人を決めつけてしまうことで、成長機会や適切な評価、心理的安全性が損なわれる点が繰り返し示されています。
こんな人におすすめ
- アンコンシャスバイアスを難しい理論ではなく、実務に近い形で理解したい人
- 面接、評価、育成、1on1などで「自分の判断のクセ」を見直したい人
- 子育て・勉強・仕事を両立する中で、思い込みを減らして判断の質を上げたい人
- Kindle Unlimitedでビジネス書を気軽に読んで学びを広げたい人
※KindleUnlimitedを契約している場合は、読み放題で追加料金なしで読むことが可能です。
KindleUnlimitedについてはこちらの記事で紹介しています。
手に取った理由と読後感
この本は、「何か大きな問題を解決したくて読んだ」というより、日々の読書の中で気になって手に取った1冊でした。
ただ、読み終えてみると、単に知識が増えたというよりも、「自分はこう見ているつもりでも、別の見え方があるかもしれない」と一度立ち止まる視点が増えたのが印象的でした。アンコンシャスバイアスというテーマは、強い言葉で他人を批判するためのものではなく、自分の判断のクセを自覚するためのものだと改めて感じました。
本書のよかったところは、バイアスを“なくすべき悪”として断罪するのではなく、誰にでも起こりうるものとして扱いながら、それでも職場やチーム運営では放置しないほうがよいと丁寧に整理している点です。この距離感がちょうどよく、読みやすさにつながっていました。
良かったところ
1. 抽象論ではなく、職場の具体例で理解しやすい
本書では、「子どもがいるから出張は無理だろう」「前職が有名企業だから優秀だろう」といった、いかにも現場で起こりそうな例が多く出てきます。こうした例があることで、アンコンシャスバイアスが遠い概念ではなく、日常の判断に入り込むものだと実感しやすいです。
2. タイトルどおり「自分を信じすぎない」視点が刺さる
「最高のリーダーは自分を信じない」というタイトルはかなり強いですが、読み進めると意味がわかります。ここでいう“信じない”は、自分を否定することではなく、自分の第一印象や過去の経験則だけで判断しきらないことです。
この視点は、面接や評価のような場面だけでなく、会議での発言の受け止め方、家庭内での役割分担、子どもへの声かけなど、かなり広い場面に応用できると感じました。
3. 「正しい人になる」より「気づける人になる」方向なのがよい
アンコンシャスバイアス系のテーマは、読み手によっては少し身構えてしまうこともあります。ですが本書は、完璧に偏りをなくすことよりも、まずは気づくこと、修正すること、チームで扱えるようにすることに重きを置いています。
そのため、読後に変な罪悪感が残るというより、「次に判断するときは少しだけ丁寧に見よう」と思える本でした。こういう読後感は、継続的な学びにつながりやすいと思います。
4. 子育て・勉強・仕事を両立する世代にも応用しやすい
これは私個人の実例というより一般論ですが、子育て世代は日々の時間が限られるぶん、どうしても「効率よく判断したい」「早く決めたい」という場面が増えます。
そのときに便利なのが経験則ですが、便利さの裏側で「この人はこうだろう」「このやり方が正しいだろう」と思い込みやすくもなります。たとえば、配慮のつもりで機会を狭めていないか、忙しさを理由に相手の背景を見落としていないか、子どもに対しても先回りしすぎていないか。そうした点を見直すきっかけとして、この本の考え方はかなり相性がいいと感じました。
気になったところ・デメリット
1. 学術的に深掘りしたい人には少し物足りないかもしれない
本書は読みやすさと実務での使いやすさを優先した本なので、心理学や行動科学の理論を重く学びたい人にはやや軽く感じる可能性があります。逆にいうと、入門〜実務橋渡しとしてはちょうどよいバランスです。
2. タイトルほど“管理職限定”の本ではないが、ややリーダー向け色はある
本書はリーダーや管理職を主な読者として想定しています。そのため、まだマネジメント経験がない人は「自分向けではないかも」と感じるかもしれません。
ただ実際には、上司部下の関係だけでなく、同僚とのやりとりや家庭内コミュニケーションにも応用しやすい内容です。読むときは「管理職の本」と狭く捉えすぎないほうが入りやすいと思います。
他の本と比べて感じたこと
アンコンシャスバイアスを扱う本の中には、理論寄りのものや、ジェンダー・ダイバーシティの制度論に強いものもあります。その点、この本はあくまで「職場でどう現れるか」「自分の言動にどう影響するか」を掴みやすいのが特徴です。
そのため、最初の1冊としても入りやすいですし、すでに概念だけ知っている人が“自分ごと化”するためにも向いています。難しい本に入る前の橋渡し役として、ちょうどよい1冊だと感じました。
こんな人には特におすすめです
- アンコンシャスバイアスを、まずは読みやすい本で理解したい人
- 面接、評価、育成、会議運営などで判断の偏りを減らしたい人
- 子育てや家庭と両立しながら、仕事での見方・考え方もアップデートしたい人
- KindleやKindle Unlimitedで、気になったビジネス書を気軽に読んでいきたい人
逆に、専門的な研究書レベルの深さを最初から求めている人は、補助線として別の理論書も合わせて読むと理解が広がりやすいと思います。
総合評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★★ | 192ページで事例中心。抽象論に偏りすぎず、かなり読み進めやすいです。 |
| 視点の広がり | ★★★★★ | 「自分は大丈夫」と思いやすいテーマに対して、立ち止まる視点を増やしてくれます。 |
| 実務へのつながり | ★★★★★ | 面接、評価、会議、育成など職場の判断に落とし込みやすい内容です。 |
| 具体例のわかりやすさ | ★★★★☆ | 現場で起きがちな例が多く、イメージしやすい一方で、理論の厚みはやや控えめです。 |
| 子育て世代との相性 | ★★★★☆ | 仕事・家庭・学びの両立で起こりやすい思い込みを見直す視点として役立ちます。 |
| 再読価値 | ★★★★☆ | 一度読んで終わりではなく、判断に迷ったときに再確認したくなる本です。 |
総合評価:★★★★☆ (4.5/5.0)
※KindleUnlimitedを契約している場合は、読み放題で追加料金なしで読むことが可能です。
KindleUnlimitedについてはこちらの記事で紹介しています。
まとめ
この本の最大の価値は、「アンコンシャスバイアスを知ること」よりも、「自分の判断はいつでも少しズレる可能性がある」と自然に意識できるようになる点だと思います。強い正論で押し切る本ではなく、現場での振る舞いを少し丁寧にするための本として良さがありました。
私は日々の読書の中でこの本を読みましたが、単に面白かっただけでなく、自分の考え方に新しい視点を入れてくれる1冊でした。仕事でも家庭でも、忙しいときほど判断を早く済ませたくなるものですが、そんなときにこそ「本当にそうだろうか」と一呼吸置く感覚は大事だと感じます。
アンコンシャスバイアスを概念だけで終わらせず、読みやすい本から実感として掴みたい人にはおすすめです。まずはアンコンシャスバイアスとは|職場で気づいて軽減する方法をあわせて読むのもおすすめですし、Kindle系の読書と相性のいい本を探している方は転職1回目の教科書レビューや関連するKindle読書記事も参考になると思います。
一緒に、思い込みに流されすぎない見方を少しずつ増やしていきましょう。

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